過疎地活性化へ起業家呼び込め 熊本・多良木町、外部の視点で「創造農村」計画

西日本新聞

 熊本県多良木町は、アートや情報技術(IT)関連などの起業家を誘致し、一緒に過疎地再生の将来ビジョンを探る「創造農村プロジェクト」事業に乗り出す。宮崎県境の山あいに位置し、人口約1万人で高齢化率も37%と高い同町。一方で既に町全域に光ファイバー網は整備されており、相良三十三観音堂といった寺社仏閣などの文化遺産も豊富。こうした利点や魅力を生かして起業家の移住を促し、多様な価値観を取り入れて独自の地域振興に取り組む狙いだ。

 町は熊本大との共同プロジェクトで町内の槻木(つきぎ)地区に「集落支援員」を採用し、2014年度にその家族の移住で休校中の小学校を7年ぶりに再開させ集落維持につなげた実績がある。今回の事業は、地域活性化策の第2弾と位置付ける。

 計画では16年度、過疎地再生のノウハウを持つ一般社団法人ノオト(兵庫県篠山市)と連携し、都市部の若者などを対象にした起業家セミナーを町内で開催。町内の空き家十数軒を改装し、移住者に事務所や住居として利用してもらい、家賃補助などを検討する。町農産品の海外販売事業の起業化などが持ち上がれば、小規模加工場を整備する構想もある。

 事業に関連し、町は今月4日、「地域おこし協力隊」3人の募集を開始。起業を目指す若者を中心に採用し、プロジェクトに加わってもらう考えだ。

 同町の企業誘致は過去10年で木材加工場の1件にとどまり、新たな人口減対策が求められている。松本照彦町長は「外部の視点も取り込み、身の丈に合った産業を興し、町を維持する将来像を描きたい」と話している。

=2016/01/06付 西日本新聞朝刊=

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