「春日市の面積 1年で砂漠に」 中村哲さん講演で報告 アフガンの深刻な状況など

西日本新聞

 アフガニスタンで人道支援に取り組む非政府組織「ペシャワール会」の現地代表・中村哲さんが9日、太宰府市の九州国立博物館で講演し、現地の用水路建設の状況について報告した。

 会は2003年から、干ばつや戦乱が多くの難民を生む同国東部で農業用水路を建設中。江戸時代に筑後川で造られたかんがい施設「山田堰(ぜき)」などを参考に現地に適した取水技術を確立している。

 講演で、中村さんは「数年後には計1万6500ヘクタールが穀倉地帯となり、65万人が安心して生きられる場所になる」と紹介し、他の地域にも拡大する考えを示した。その一方で、現在も砂漠化が深刻で「春日市(ほどの面積)が1年で砂漠となり、村ごと消えていく状況」と危機感を募らせた。

 講演は、同博物館で開催中の特別展「黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝」(西日本新聞社など主催)の関連イベント。中村さんは展示物の古代アフガニスタンの文化財に言及し「これだけ豊かな国だったのに、他国の政治的思惑で現在の大混乱が起こっている。だが何があっても、この地にしがみついて活動していく」と力を込めた。

 特別展は2月14日まで。観覧料は一般1400円など。問い合わせはNTTハローダイヤル=050(5542)8600。


=2016/01/10付 西日本新聞朝刊=

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