長崎市立図書館 がん情報提供 病院と連携 医師らが無料講座 関連本や薬の冊子充実

西日本新聞

 市民へ有益な医療情報を提供しようと、九州の公共図書館と「がん診療連携拠点病院」が連携を強めている。その先駆けとされるのが長崎市立図書館と地元の拠点病院。取り組みを紹介する。

 長崎市立図書館の2階。そこには「がん情報コーナー」がある。がんに関する本をはじめ、がん検診の受診を呼びかける長崎県のチラシや、がんの薬に関する製薬会社制作の小冊子などが並ぶ。その数は500点以上だ。

 コーナーには「がんの相談をしたい方へ」で始まる掲示もあり、どの拠点病院にもある市民向け無料相談窓口「がん相談支援センター」のことを紹介。さらに長崎市内にある3拠点病院(長崎大学病院、地方独立行政法人長崎市立病院機構運営の長崎みなとメディカルセンター市民病院、日本赤十字社長崎原爆病院)の利用時間・電話番号・住所を表示している。

 長崎市立図書館によると、このコーナーを設けたのは2011年6月。がんについて調べようと訪れる市民が相次いだためだ。

 拠点病院との連携は、実はこのコーナー開設がきっかけ。図書館利用者としてコーナーのことを偶然知った長崎県医療政策課の職員が「県としても何か役に立ちたい」と、拠点病院との連携の仲介に動いたのだという。

 連携の大きな柱が、がんに関する無料の講座を長崎市立図書館で年に数回開催していること。初年の12年は同大学病院や市民病院などと連携、各病院の医師や医療ソーシャルワーカーらが講師を務めた。ただ13年からは、連携先の拠点病院としては同じ長崎市立系の市民病院に限定。「図書館でがんを学ぼう」とのうたい文句も設けて市民へのアピールを強めている。15年は1回当たり70人前後集まったという。

 また講座開催に合わせて市民病院の管理栄養士、医療ソーシャルワーカー、薬剤師、看護師、リハビリ専門家(理学療法士か作業療法士)、臨床検査技師、放射線技師が会場に駆け付け講座開始前と終了後に市民の個別相談に応じている。

 長崎市立図書館の運営総括責任者の下田富美子さんは「うちは公共図書館なので、本を読まない人にもサービスを提供できるよう努める必要がある。がんに関する取り組みはその実践例の一つで、拠点病院と連携することで充実した内容を届けることができている」と話す。

 市民病院の峯孝志・臨床腫瘍科主任診療部長も「図書館は病院よりも市民が気軽に訪れやすく、自分で調べようという人たちが集まってくる場でもある。病院としても連携することで、情報発信がしっかりできる」と語っている。

    ◇   ◇

 九州がんセンター(福岡市)がん相談支援センターの竹山由子相談支援係長によると、インターネット上の「信頼できるがん情報」としては「がん情報サービス」=ganjoho.jp=がある。


=2016/01/16付 西日本新聞朝刊=

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