ウイルス感染防止法 スイッチ、ドア注意/手洗い30秒以上

西日本新聞

 大学入試センター試験も始まり、本格的な受験シーズンが到来した。体調を万全にしておきたいこの時季は、インフルエンザやノロウイルスなど、感染症に注意が必要な季節でもある。厚生労働省は15日、今年もインフルエンザの流行シーズンに入ったと発表した。あらためてウイルスの対策法を確認したい。

 ▼飛沫と接触と

 福岡市立こども病院の青木知信副院長(小児感染症科)によると、代表的な冬の感染症には、インフルエンザ、ノロウイルスやロタウイルスなどによる感染性胃腸炎、幼児に肺炎などを引き起こす恐れがあるRSウイルス感染症がある。

 厚生労働省によると、これらの感染症の主な感染経路には「飛沫(ひまつ)感染」と「接触感染」がある。せきやくしゃみをしたときにしぶきが飛び、それに含まれるウイルスを吸い込んで起きるのが飛沫感染。ウイルスが付いた手指や物を触ったりなめたりすることで、ウイルスが体内に入ってしまうのが接触感染。電気のスイッチやドアノブなど注意が必要だ=図左参照。

 こうした感染を防ぐ有効な方法を、青木副院長は「手洗いとマスク」という。

 ▼マスクが有効

 手を洗うときは、せっけんをきちんと泡立て、流水でしっかり洗い流すようにする=図右参照。「洗い残しが特に多いのは、爪の縁や親指の周り」。医療現場では、30秒以上の手洗いが効果的とされているという。

 マスクは、一般的には感染している人がウイルスを外に出さないために効果的とされるが、「マスクをしていると鼻を触りにくくなり、接触感染の予防にもなる」と効果を指摘する。

 ワクチンがあるインフルエンザやロタウイルスは「予防接種がお勧め」という。乳幼児を中心に流行するロタウイルスのワクチンは任意だが、生後2カ月から接種できる。

 ノロウイルスは「ワクチンや抗ウイルス薬がないため、しっかり手を洗うことが有効な対策」。ノロウイルスは食品からの感染もある。二枚貝による感染が有名だが、貝以外の食品でも感染することがある。食品からの感染を防ぐには、なるべく加熱して食べる。内部が85度以上になってから1分以上加熱すると、ノロウイルスの活性を失わせることができるそうだ。

 ▼消毒液を使う

 消毒方法として一般的なアルコール製剤だが、十分な量を使わないとあまり効果が得られない。青木副院長によると、医療現場では2押しの量が必要とされているという。20~30秒かけて手にすりこむ。

 ノロウイルスは胃液を通過して腸に届くような強いウイルスであるため、アルコールが効きにくいという。厚労省は、床や調理器具を消毒するときは、次亜塩素酸ナトリウム(薬局などで販売)の消毒液や市販の塩素系漂白剤を薄めて使うことを勧めている。

 消毒液の作り方は自治体のホームページなどに載っている。福岡市が発行する資料によると、嘔吐(おうと)物の処理には、次亜塩素酸ナトリウムを0・1%に薄めて使う。原液の濃度が6%の場合、水3リットルに原液を50ミリリットル入れる。ただし、金属や色物の布類は変質の恐れがあるため使用上の注意事項をよく確認する。

 感染症対策などについては各地の保健所でも相談を受け付けている。


=2016/01/16付 西日本新聞朝刊=

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