「子ども食堂」シンポ詳報<上>全員受け入れられず残念 ねりまこども食堂(東京都練馬区) ほか

西日本新聞

 「子ども食堂」の開設者らが経験を語り、交流するシンポジウム「こども食堂サミット」が11日、東京都豊島区役所で開かれた。参加申し込みが殺到し、200人の定員を大幅に上回る約300人が参加。関心の高さを示した。シンポは区とNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク、こども食堂ネットワーク(ともに東京)が主催した。登壇者6人の発言を2回に分けて紹介する。

 ●全員受け入れられず残念 ねりまこども食堂(東京都練馬区) 金子よしえさん

 昨年4月にオープンした。福祉のことは何も知らず、テレビ番組で貧困の子どもたちがいるというのを見て「ご飯を作るくらいなら、私でもできる」という理由で始めた。

 先に開設していた子ども食堂を見学し、開催場所としてお寺が研修施設を無料で貸してくれ、ボランティアもたくさん集まった。月に2回開いている。

 当初はどこに必要としている子どもがいるのか分からず、いろんな人に聞いた。チラシを作り、ポスティングし、児童館から出てきたお母さんにも渡した。やれることはすべてやったが、当初子どもはあまり来てくれなかった。「悲しいね」と言いながら、たくさん作った料理を持って帰った。

 ところが、マスコミに取り上げられたこともあり、どんどん増えてきた。昨年12月の開催で78人まで受けたが限界で、それ以上の人を初めて断った。それが私たちにとってはすごくショックだった。「早いもの勝ち」でいいのかと思い、来てくれた人たちに私たちが食堂を始めた思いを手紙に書いて送った。今年はどんなふうに進んでいくか、不安と期待がある。

 ●子どもたちを受け止める はちおうじ子ども食堂(八王子市) 三宅正太さん

 私たちは学生が中心となって昨年4月から始めた。大阪の(日雇い労働者が集まる)釜ケ崎で貧困の現実をみて衝撃を受け、何かしたいという気持ちがあり、子ども食堂をやろうとなった。

 子どもたちのいる環境を変えることから始めるのではなく、まず子どもたちをしっかりと受け止めることをやっていかないといけないと思っている。

 ●家庭への支援継続が必要 石神井(しゃくじい)ゆうやけ子ども食堂(練馬区) 鈴木秀和さん

 不登校の児童に居場所を提供し、支援を続けてきた。活動の一環で食堂を2014年12月に始めた。居場所に来られない子どももいる。そういう子どもと知り合えるきっかけにならないかという思いがあった。

 毎月第1金曜と第3日曜に開いている。最初は地域の子どもたちはいなかったが、続けるうちに増え、昨年12月は最多で50人くらい来た。その中で見えてきたのは、子ども食堂はきっかけでしかなくて、そこから必要な子どもや家庭への支援を始めていかないといけないということ。民生委員ら地域の人たちと連絡を取り合い、対応を練っている。

 本当に必要な人につながり、支援を継続することが貧困や孤立の問題を解決していくと思っている。これから始める人は仲間と話し合い、無理のない範囲で活動するのが大事だと思う。

 ●親子の「居場所」続けたい ぞんみょうじこども食堂(世田谷区) 酒井浩美さん

 お寺が子ども食堂を主催している。食堂を始める前には、子育て支援のサロンを開いていた。シングルのお母さんたちは日々子育てに追われ、ご飯を作るのも必死だった。昨年9月にスタートしたが、サロンに参加したお母さん、お父さんたちが手伝ってくれている。

 いま食堂に来ている親子は30人ほど。月1回でもゆったりと、子育てについて悩みを打ち明け、子どもも笑顔を取り戻すことができる「居場所」をこれからも続けたい。


=2016/01/26付 西日本新聞朝刊=

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