「子ども食堂」シンポ詳報<下>多くの人たちに支えられ みたかやま子ども食堂(東京都三鷹市) ほか

西日本新聞

 東京都豊島区役所で11日に開催されたシンポジウム「こども食堂サミット」(NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク、こども食堂ネットワークなど主催)の主な内容を、26日に続き紹介する。登壇者6人はそれぞれの発言の後、課題について議論した。

 ●多くの人たちに支えられ みたかやま子ども食堂(東京都三鷹市) 高橋久美さん

 私は、こども食堂ネットワークが主催したセミナーで知り合った定食屋の店員さんと2人で立ち上げた。この定食屋を借りて月に1回開催している。三鷹の農協は快く野菜を提供してくれ、思ったよりもスムーズに始められた。

 今では魚や肉も提供してもらい、調理の手伝いをしてくれる人もいる。児童館の人は子どもたちを連れて来てくれ、学校の先生も協力してくれた。食堂を始めて、子どもたちを守りたい、支えたいと思う大人はたくさんいると気付いた。

 ●おせっかいな街になれば 豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(豊島区) 栗林知絵子さん

 私もそうだが、おせっかいな仲間はたくさんいるんだと思った。成人式を迎えた私の子どもは、小学校のときに「うちのお母さんも本当におせっかいです」と作文に書いたほどだ。声を掛けたら不審者だと思われる街から、「どんどんおせっかいしていいんだよ」という街になれば、困っている子どもだけでなく全ての子どもが笑顔になるはずだ。市民だからこそできることがまだまだある。

 ●ご飯食べられる場 全国に

 ▼ねりまこども食堂、金子よしえさん(練馬区) 練馬区は子ども食堂が6カ所あり、全国の自治体で一番多いのではないか。うち五つの食堂が「子ども食堂ネットワーク練馬」をつくり、食材を融通し合っている。

 練馬区には体験農園が17カ所あり、ある農園が「私たちが作った野菜を子ども食堂で食べて」と声を掛けてくれた。今では4カ所の農園が野菜を提供してくれ、地元でできた新鮮で安全な野菜を食堂で提供し、困窮家庭にも配っている。

 ▼ぞんみょうじこども食堂、酒井浩美さん(世田谷区) 子ども食堂を先に始めた人の話を聞いたことで背中を押された。私たちは貧困状態のお子さんをどう呼ぼうかと考えていたが、栗林理事長から「10人の子どもが来てくれて、そのうち(困っている子が)1人でも来てくれたら大成功なんだよ」と言われて勇気をもらった。

 ▼石神井(しゃくじい)ゆうやけ子ども食堂、鈴木秀和さん(練馬区) 私たちは主に大田区在住で、食堂のコアメンバーはほとんど練馬区外から来ている。地域の子どもの情報を知っているのは、地域のお母さんや民生委員の人たちだ。そういう人たちと連携することで、支援が必要な子どもたちにつながっている。地域のお母さんたちの力はすごく強いと思うし、相談し、頼ることで支えてもらっている。

 ▼ねりまこども食堂、金子さん 昨年1月に開かれた前回のシンポジウムのころに比べると、「子ども食堂」と言っただけで、説明しなくても分かってもらえるようになった。行政、民生委員、地元教育関係者も協力してくれる。とてもいい状況になっていると思う。

 ▼WAKUWAKUネット、栗林さん 私自身は最近、民生委員になった。戦前岡山県で、ご飯を食べられない子どもたちに手を差し伸べた地域の人たちがいて、そうした運動が全国に広がり、現在の民生委員制度につながったと聞いた。私たちがやっているのは、こうした取り組みの現代版だと思う。学ぶ前にまず、安心してご飯を食べて、安心して暮らす。日本中の子どもたちがそうできるよう、私たちがつながり、制度を変えていきたい。この力を、この種を全国に広げましょう。


=2016/01/27付 西日本新聞朝刊=

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