輝く笑顔 主役は私 福岡の写真館 高齢者フォト 自然な表情で

西日本新聞

 愛着のあるギターを弾く男性、ヒマワリを背景に少女のような笑顔を浮かべる女性。福岡市城南区の写真館「フォトスタジオ ビタミン」は、千人以上の高齢者の写真を撮ってきた。酸いも甘いも経験した深みのある笑顔は、とても魅力的で目が離せない。

 ビタミンでは、2009年から60歳以上を対象とした撮影「ライフフォト」を始めた。俳優のポートレートのようにポーズを取りながら、その人らしい自然な表情を引き出すのが特長だ。1万800円の撮影料(写真代別)は、年を重ねることが喜べるように、70歳なら70%引きの3240円など、年齢に応じて安くなる。

 きっかけは、共同代表の坂本香魚美(あゆみ)さん(40)が、ある家族写真を撮影したときの出来事だった。高齢の女性がいい笑顔で写っていたため、1人での撮影を勧めると、遺影用だと勘違いされ怒らせてしまった。

 遺影は集合写真から抜き取った無表情な場合も多く、「大事な人に覚えていてほしい表情を残せたらいいのに」と感じていた。子や孫が生まれ、家族優先の日々を送ってきた人も多いだろう。「自分の人生は、いつだって自分が主役」とライフフォトを企画。「今をすてきに生きている証しを今、撮りましょう
」と語り掛け、「その人が主役」の瞬間を切り取ってきた。

 福岡県筑前町の女性(71)は、65歳で他界した夫の遺影に「いい写真で並びたい」と撮影に臨んだ。「背中を伸ばすだけで65歳に見えるけんね」「女優さんみたいだ」。窓際で自然光を浴びながらの撮影では、坂本さんと、共同代表の明石一矢さん(66)の明るいアドバイスに自然と笑みがこぼれた。

 別の70代女性は、こんな手紙を寄せた。「70年以上の歩みの中で、こんなすてきな笑顔、本人の私もお目にかかったことなし。毎日『ヨシ! 今日もこの笑顔で頑張ろう』と自分を励ましています」。写真を書籍サイズのアルバムにして、持ち歩く人もいるという。問い合わせはフォトスタジオ ビタミン=092(862)2351。


=2016/01/28付 西日本新聞朝刊=

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