認知症 予防に和食と運動 介護 公的サービス活用を 公開講座で医師講演 福岡市

西日本新聞

 県民のための公開講座「認知症に寄り添って」(福岡県医師会・西日本新聞社共催)が23日、福岡市であり、眞鍋雄太・横浜新都市脳神経外科病院内科認知症診断センター部長(40)が「認知症を理解する20のQ&A」との題で講演した。

 眞鍋さんは日本認知症学会専門医で、特にレビー小体型認知症を専門としている。

 講演ではまず認知症患者が462万人(65歳以上、2012年時点、厚生労働省推計)であることを示し「認知症はすでに、ありふれた病気。誰がかかってもおかしくない」と強調。認知症のうち一番多いのはアルツハイマー型で50%、続いてレビー小体型が20%、脳血管性が15%を占めると説明した。

 認知症かどうかを調べるための「超簡単な検査」も紹介。「年齢」と「生年月日」を聞くだけの方法で「両方間違えたら、ほぼ認知症」と話した。

 レビー小体型認知症については、介護する上で参考になる話を披露。特徴的な症状である視覚認知障害への対応例についてで「家のトイレに真っ赤な口紅の女性がいるという『幻視』を訴えて、怖くてトイレに行けなくなった患者がいたが、トイレを調べると、赤のデザインが施された手洗いせっけんの容器が置いてあり、それが女性のくちびるに見えていた。つまり錯視だった。そこで、その容器を取り除き、トイレの電気をちゃんとつけるようにすると、この『幻視』は消え、トイレに行けるようになった」という内容だった。

 さらに介護に関しては「無理・無駄は絶対にしてはならない。1人で抱え込むと大変になる。同じ経験をしている人と情報・知識を共有し、公的サービスを積極的に利用すべきだ」と助言した。

 また、認知症予防については「和食がよい」「運動が必須」とアドバイス。「アロマセラピーで認知機能の改善が期待できる」とも述べた。

    ◇    ◇

 眞鍋さんは、講演後のシンポジウム「認知症に寄り添って」にも参加。認知症の人を介護する家族などへの助言として「徘徊(はいかい)などに備え、(最寄りの交番などに)本人の顔写真と名前を届けておくとよい」と話した。認知症の検査を受けるのを嫌がる人を受けさせる方法としては「自治体の健康イベントなどで『脳内年齢を測ろう』という取り組みがさかん。それを利用するのも一つの手」と語った。


=2016/01/30付 西日本新聞朝刊=

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