紹介状ない初診 九州10大学病院 追加負担 平均3600円

西日本新聞

 大病院を紹介状なしに受診した患者に、初診料とは別の追加負担を求める制度について、厚生労働省は負担額を2016年度から最低5千円とする検討に入った。高度な医療を提供する「特定機能病院」など全国の約250病院が対象となる見通し。特定機能病院である九州の10大学病院はすでに平均で約3600円の追加負担を求めており、厚労省の今回の動きが決まれば、全体として約1400円以上の値上げとなる。

 追加負担を求めるのは大病院が難しい治療に専念できるように医療機関の役割分担を進めるのが狙い。軽症とみられる場合は最初に身近な診療所などで受診するよう促す。現在も200床以上の病院は追加負担を求めることができ、約1200カ所が実施。平均額は約2400円となっている。

 九州の10大学病院の追加負担額(税込み)は現在、2700円~5400円=表参照。各大学病院は紹介状なしの患者に対し、診察前に窓口などで追加負担がかかることを説明している。だが紹介状なしの患者の中には「今から他の病院に行っても、どうせタクシー代がかかる」「複数の病気を抱えて複数の医療機関に行かねばならないが、診療科が多数ある大学病院なら1カ所で済ませられる」といった理由で、追加負担を払ってでも診療を求める例が結構あるという。

 紹介状なしで追加負担を払う患者は、長崎大学病院の場合、昨年4~12月の9カ月間に1437人。初診患者全体(1万7114人)の8・4%を占めた。佐賀大学医学部付属病院も「毎日4、5人はいる。月に100人を切ることはない」。福岡大学病院も「月に500人程度はいる」と話す。

 厚労省は新年度から、初診時に最低5千円とし、病院独自の判断で5千円超も可能とすることを検討中。再診時も千円~2500円の追加負担を検討している。特定機能病院と500床以上の地域医療支援病院の計約250病院が対象となる見通し。

 これについて大学病院側からは「患者さんに追加負担の説明がしやすくなる。医療機関の役割分担の理解も広がるだろう」と歓迎の声が聞かれる。現在、追加負担額が2700円の大分大学医学部付属病院は、負担額の上乗せについて「厚労省の決定を待ち、規模が同じ病院の状況を見て検討する」としている。


=2016/02/06付 西日本新聞朝刊=

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