大動脈解離防ぐタンパク質発見 久留米大など 予防法、新薬開発に期待

西日本新聞

 久留米大循環器病研究所(福岡県久留米市)などの研究グループは、大動脈の壁が内側から裂ける「大動脈解離」の発生を防ぐタンパク質を世界で初めて発見した。研究グループは同様の役割を持つタンパク質が他にもあるとみて研究を続け、突然発生して死に至ることもある大動脈解離の予防・診断法の確立や、新薬の開発につなげたい考えだ。

 研究所の青木浩樹教授によると、大動脈解離は国内で年間1万人前後が発症しているとみられる。動脈硬化や高血圧が主因で、50~70代の男性に多い。

 青木教授は大動脈瘤(りゅう)が専門で、2006年からマウスを使って人為的に動脈硬化と高血圧の状態にした大動脈を研究。その過程で、血管が正常でない状態になると発生することで知られるタンパク質「テネイシンC」の役割に注目した。

 マウスの体内でテネイシンCが発生しないようにすると、半数近い割合で大動脈解離を引き起こすことが判明。テネイシンCがあるマウスでは解離が生じないことから、研究チームは「大動脈を守る安全装置の役割を持つ」と結論づけた。

 ただ、テネイシンCがなくても解離が生じないマウスがいることから、青木教授らは「安全装置となるタンパク質は他にもある」と推測。他のタンパク質の解明や、テネイシンCの詳しい働きについて研究を進める。研究成果は11日発行の英科学誌「Scientific

 Reports」に掲載。3月下旬に東京である日本循環器学会で発表する。

 (田中伸幸)

 ●画期的な成果

 ▼今中恭子三重大マトリックスバイオロジー研究センター長(実験病理学)の話

 大動脈解離などの疾患で、テネイシンCが大量に存在することは判明していたが、役割が分かっていなかった。今回、動物実験だが、明らかに大動脈を守る役割があることが分かったことは画期的だ。将来、血管が裂けそうな場所にテネイシンCを使った薬剤を塗るような治療法につながっていくのではないか。=2014/02/15付 西日本新聞朝刊=

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