【成人T細胞白血病ウイルス HTLV1制圧へ】ATL発症抑制遺伝子 宮崎大チームが特定

西日本新聞 坂本 信博

 宮崎大学医学部の森下和広教授(腫瘍生化学)らの研究グループは、九州に患者が多い血液がん「成人T細胞白血病」(ATL)について、発症を抑える可能性がある遺伝子を特定したと発表した。2月26日付の電子版英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に論文が掲載された。

 森下教授によると、この遺伝子は「NDRG2」と呼ばれるもので、複数のATL患者の細胞や遺伝子情報を調べたところ、正常な人に比べて「NDRG2」が極端に少なくなっていることが判明。マウスを使った実験で「NDRG2」を減少させると細胞のがん化が進み、増やすとがん化が抑制されることが分かった。胃がんや肝臓がんなど、他のがんでも同じ現象が見られたという。

 森下教授は「この遺伝子はATL以外のがんについても抑制遺伝子として機能している。がん発症のメカニズムが解明されれば、新たな治療薬の開発にもつながる」と話している。ATLは主に母乳を介して母子感染するウイルスが原因で、国内感染者は推定100万人超。半数を九州・沖縄在住者が占める。感染者の約5%が発症し、年間約千人が死亡している。=2014/03/01付 西日本新聞朝刊=

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