呼吸が困難な肺疾患治療薬 核酸医薬開発へ加速 久留米・ボナック 8月にも動物で非臨床試験 18年実用化目指す

西日本新聞

 久留米市のバイオベンチャー「ボナック」(林宏剛社長)が、次世代医薬品として期待される「核酸医薬」の開発に向け、活動を加速させている。昨年までに独自の開発技術の特許を日米欧で取得し、住友化学(東京)とは医薬品の原料生産に関する契約を締結。地銀やファンドの出資で増資も実施した。呼吸が困難になる肺の疾患の治療薬開発へ、夏には動物への非臨床試験に着手する見通しだ。

 核酸医薬は、病気の原因となるタンパク質の働きを抑制する従来の医薬品と違い、タンパク質を生成する遺伝子に働きかける医薬品。治療効果が高いとされるが、体内に入ると分解されやすいなど課題もある。

 2010年に久留米リサーチ・パーク内に設立したボナックは、効果の高い核酸医薬と、それが分解されにくい独自の技術を開発。大学と共同で、肺の難病である「肺線維症」や子どもに多い骨肉腫など、患者が少なく、大手の製薬企業が手掛けない希少性疾患の治療薬開発を目指している。

 肺線維症については、マウスを使った実験で核酸医薬の効果を確認。大型動物を使った非臨床試験を8月にも始める方針で、「16年後半にヒトへの臨床試験を始め、早ければ18年の実用化を目指す」(林社長)。

 核酸医薬は20年の市場規模が5千億円に広がるとの予測もあり、同社には行政や国内外の企業から注目が集まる。福岡県や久留米市は11年度から助成金を拠出するなど支援を継続中。筑邦銀行(久留米市)など地銀やファンドの出資を受け、同社は昨年末、950万円だった資本金を約1億7千万円に増資した。

 林社長(39)は「今後も研究基盤や支援態勢が整っている久留米が活動の中心。核酸医薬が早く実用化できるよう、しっかり頑張りたい」と話している。

=2014/03/17付 西日本新聞朝刊=

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