ドクターカー出動 1000件超す 飯塚病院 運用1年9カ月 稼働365日体制に活動範囲も拡大 課題は認知度不足

西日本新聞

 飯塚病院(飯塚市芳雄町)が筑豊地区で唯一運用しているドクターカーの出動件数が、24日で千件を超えた。2012年8月の運用開始から約1年9カ月。稼働日数の増加や活動範囲の拡大を続け、医師や看護師らは一秒を争う「医療の最前線」で奮闘している。

 ドクターカーは119番を受けた消防指令室や現場の隊員が「一刻も早く救命措置が必要」と判断した場合、飯塚病院に要請すると医師や看護師らが4人でチームを組み現場に向かう。赤色灯を点灯し、サイレンを鳴らして走行できる。

 運用開始当初は嘉飯地区だけだった活動範囲を徐々に拡大、本年度から田川地区をエリアに入れ筑豊全域をカバーしている。平日限定だった稼働日も昨年6月に365日体制に拡大した。午前8時半~午後5時の活動時間は同6時までに延長予定で、飯塚病院救急部の出雲明彦部長(47)は「いずれは24時間体制で活動したい」と意欲的だ。

 千件を超す出動件数のうち2、3割は、現場に向かう途中で患者の意識が回復した場合などに消防から連絡が入る「キャンセル」。救急部医師の太田黒崇伸さん(30)は「キャンセル数は消防がドクターカー要請の判断に迷った際、『呼ぶ』という選択をしている裏付けでもある。一秒でも早く現場に着くため、『悩んだら呼ぶ』判断は今後も重要」と語る。

 2年近いドクターカーの活躍により、心停止状態から一命を取りとめ、社会復帰を果たした例も複数出ている。太田黒さんは「限られた時間で頭をフル回転させている。社会復帰例は素直にうれしい」。看護師の福田咲子さん(33)は「現場での素早い措置はもちろん、今後は患者家族の精神的なケアにも力を入れたい」と目標を掲げる。

 一方、課題に挙げられるのはドクターカーの認知度不足。通常の救急車両より小型のため、道を譲ってもらえないケースも多いという。救命部門の医師や看護師をサポートする「ER(イーアール)-Aide(

 エイド

 )」として運転も担当する大峯将幹さん(28)は「到着が遅れれば患者の容体に大きく影響する。活動を広く知ってもらい、交通面での協力をお願いしたい」としている。=2014/05/30付 西日本新聞朝刊=

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