福岡市特区 外国人向け医療充実 起業家の招致推進へ 構想の素案全容判明

西日本新聞

 福岡市が、国の指定を受けた創業と雇用創出を目指す国家戦略特区で取り組んでいく施策を体系的に示す「グローバル創業都市・福岡のビジョン」の素案の全容が、4日分かった。施策の一つとして、外国人起業家と家族も安心して暮らせる都市を掲げており、高度医療環境を整備し市内の病院のベッド数増床を目指すことなどを盛り込んだ。国は2015年度までの2年間を改革集中期間と位置付けており、市は本年度中に成案を策定。実現可能な施策から「スピード感を持って実行する」としている。

 同ビジョンは、特区指定を受けて福岡市が目指す都市像を示す「特区版マスタープラン(総合計画)」との位置付け。具体的には(1)創業を促し、再チャレンジを応援する仕組みを持つ都市(2)ビジネスが世界と容易につながる自由都市(3)グローバル(国際的)ビジネスを呼び込む高機能都市‐を掲げた。

 達成年次を2018年度とし、年間新規雇用者数を同年度20万人(12年度15万人)、開業率13%(同6・2%)を目指す。

 市が目指す高度医療の集積は、国際的な人材を呼び込むための都市環境整備の一つ。現状では都道府県の基準病床数は、全国統一の算定式により決まっているが、特区ではこうした規制を緩和。高度医療を提供する医療機関を公募し、増床を認める方針。外国人の医師や看護師の業務解禁を検討する。

 外国人創業者や家族の入管手続きの簡素化、日本語学習支援など暮らしの利便性向上を図る事業と併せて施策も進めていく。

 幅広い世代の創業を促す施策も盛り込んだ。超高齢化社会をにらみ、シルバー世代に起業ノウハウを伝える事業を計画。経済界と連携した中高生向けの起業教育のほか、大学生主体のビジネスプランの実践支援などの充実も図る。

 市はこうした施策のうち、可能なものから15年度予算案に関連事業費を盛り込んでいく。

 一方、ビジョンでは「雇用条件の明確化」も掲げており、雇用労働相談センターの創設などこれまで市が国に提案した通りの内容となっている。ただ労働法制の規制緩和については労働組合や弁護士団体などから「安易に労働者の切り捨てにつながる」との懸念が出ている。=2014/09/05付 西日本新聞朝刊=

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