プロなら暴言やめて

西日本新聞

 寝たきりのお年寄りが多数入院している福岡県の病院。そこに身内が入院しているAさんによると、今年見舞いに訪れたとき、患者へ暴言を吐いたスタッフがいたという。

 Aさんによると、被害にあったのは認知症のためかベッドで意味不明のことをずっとしゃべり続けていた高齢の女性患者。暴言を浴びせたのは、介護スタッフとみられる若い男性で、その患者のおむつ交換をするときに「やかましい」と言い放ったという。

 Aさんは「私が病室そばの通路にいたときに、それを聞いた。若い男性は病室に患者しかいなかったため暴言になったのでは」とみる。Aさんには身内が世話になっているとの思いがあるため、この暴言の件を病院側に知らせて問題にするつもりはない。ただ「私がしばしば見舞いに行くのは、(病院スタッフが患者に暴言を吐いたりしないよう)病院スタッフに外部の目があることを意識させるためでもある」と話す。

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 医療現場での暴言は結構あるのではないか。

 例えば2年前、福岡市の病院で男性医師が入院患者に、自死を促すような言葉を向けた事例があった。

 今年、九州のある都市で開かれた医療関係の集会を取材したときは、患者側として出席していた若い女性が「患者を罵倒する医者がいた」と語った。詳しい取材を求めると「過去を思い出して話をするのはつらい」との理由で応じてくれないほど、ショックを引きずっているようだった。

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 医療の仕事は、命と向き合うだけに気が抜けず精神的にも肉体的にもハードに違いない。給与など待遇面が十分とは言えないケースもありそうだ。それでも、そうしたことで生じるイライラを、弱い立場の患者にぶつけることがあるのだとしたら、やめてほしい。暴言を向けられた患者は安心して医療に身を委ねることができなくなる。

 結局、笑顔を絶やさずに患者に接し続けられるか否かはプロ意識の差によるのではないか。ある看護師は「ムッとした表情を患者の前で出したら看護師失格」と肝に銘じているという。どの職場も、そんな「プロ意識の高い人」ばかりであってほしい。
=2014/09/12付 西日本新聞朝刊=

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