医療問題 掘り下げ17年 19日200号 福岡市医師会 毎月、独自視点「レポート」発行

西日本新聞

 医療福祉を取り巻く課題に市民にも関心を持ってもらおうと、福岡市医師会が毎月発行しているA3判1枚の「医療情報室レポート」が19日発行分で200号に達する。介護保険制度導入、電子カルテ、在宅医療...。時代とともにテーマも移り変わって17年。医師会ならではの視点もあり、江頭啓介会長は「さまざまな場で議論の土台になれば」と話す。

 レポートは1998年5月、「医師会が市民に身近な存在になるため情報発信しよう」と、会員向けの会報とは別に発行を開始。3千部を会員のほか市役所や市議会議員などに送る一方、同医師会のホームページでも公開している。

 毎号変わる特集のテーマは、3週間前に会長ら役員8人と担当職員が編集会議を開いて協議。データ収集や取材を経て、主に職員が執筆する。第1号は導入前夜の介護保険制度がテーマ。その後もオバマ米大統領の医療改革、新型インフルエンザ対策、年金問題などを取り上げた。

 「公正中立を心がけている」とするが、そこは医師の集まり。コラム「医療情報室の目」では、2013年10月の福岡市博多区の医院火災後、スプリンクラーの設置義務化の動きもあり苦境に立つ有床診療所について「江戸時代の小石川養生所に始まる日本の医療文化の礎」と擁護。政府が進める社会保障費抑制のための施策には「改革の方向性を見誤り、患者が行き場を失うような事態は避けなければ」とけん制球を投げる。

 ネットのアクセス数は月に3千~4千件。九州外の大学や病院からは「図表をシンポジウムで使いたい」「分かりやすくて勉強になる」などの声も寄せられている。来年1月発行の201号からは特集をより深く掘り下げるため隔月発行とする予定で、江頭会長は「より地域に密着した深みのある情報を届けたい」と意気込む。=2014/12/18付 西日本新聞夕刊=

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