花粉との闘い 今年は軽い!? スギ飛散 九州各地でピーク 「例年の半分」予測 油断は禁物

西日本新聞

 九州各地でスギ花粉の飛散がピークを迎えた。薬局や雑貨店では対策グッズの売り場がにぎやかに。日本気象協会九州支社によると、九州地方では今春の飛散量は例年より少ないとの予測だが、「日によって変化があるので対策は怠らないでほしい」と話している。

 スギは3月上旬まで、ヒノキは3月下旬がピークとみられる。スギは飛散量が多い年(表年)と少ない年(裏年)が交互に訪れるのが一般的。本来なら今年が表年に当たるが、民間気象会社ウェザーニューズは「近年、九州や北海道では表年と裏年が不明瞭になる傾向があり、前年夏の天候の影響が大きくなりがち」と指摘する。日本気象協会九州支社の松井渉気象予報士は「昨年の九州は冷夏で花芽の生育が良くなかったため、飛散量は例年の半分ほどだろう」と分析する。

 とはいえ、花粉症患者にとってはつらい季節。薬局や雑貨店では対策グッズが目立ち始めた。

 福岡市・天神の雑貨店インキューブは、昨年末から売り場を設置。花粉や黄砂のピークを迎え、今は30種類ほどのマスクが並ぶ。空気中の水分を取り込んで花粉を寄せ付けない新商品や、耳が痛くならないようひもがないものも。担当者は「(微小粒子状物質の)PM2・5への注目もあり、予防策への意識の高さが見られる。子ども向けの需要も増えている」と話す。

 ただ、飛散量が少ないとの予測もあり、商品の売れ行きは例年より鈍いという。九州に約400店舗を展開するコスモス薬品(福岡市博多区)の担当者は「今年は短期決戦になりそうだ。花粉の情報を客に提供しながら適切な商品を薦めたい」。福岡県を中心に約90店を持つ大賀薬局(同)の担当者は「花粉よけに顔や衣服に吹き付けるスプレーなど予防商品に力を入れたい」と話している。

 ●「夢の新療法」根治へ光

 処方薬で通院軽減

 舌下免疫療法

 2-3年の長期戦

 今年、スギ花粉の対策として注目を集めているのが「舌下免疫療法」。口に薬液を垂らして体質の変化を促す新しい方法で、根治も期待されることから「夢の治療法」とも呼ばれる。花粉が飛散する時期からの服用開始はできず、福岡県内で治療を受けられる病院はまだ限定的だが、今後は症状が重い人などに広がりそうだ。

 新タイプの治療薬は、アレルギー反応を起こすスギ花粉のエキスを含んだ薬を毎日1滴ずつ口内に垂らして服用するもの。2、3年間にわたり少しずつ花粉に体を慣らすことでアレルギー反応を抑えていく。

 販売する鳥居薬品(東京)によると、昨年10月に医師の処方薬として販売が始まった。これまでの免疫療法は注射によるもので、週に1回程度の通院が必要だった。舌下免疫療法は自宅で服用できるのが最大の利点。副作用として口内炎や喉のかゆみ、場合によってはショック症状などが考えられるが、注射よりも安全とされる。

 飛散していない時期から治療を始める必要があるため、初めての人は花粉シーズンが終わってから処方することになる。費用は保険適用で年間約1万1千円。同社経営企画部は「根気がいる治療だが、これまでとは違う効果が期待できるはず」と話す。効果は人によって違い、根治するケースがある一方で効かない場合もあるという。

 ただ、すべての耳鼻咽喉科が導入しているわけではない。医師は(1)治療法に関する講習会の受講(2)同社のインターネット上での講習の受講(3)強い副作用が出た場合の救急病院との連携-が求められ、今のところ登録した医師は全国で約5千人にとどまる。福岡市のある医師は「講習は受けたが、しばらく他院の様子を見てから始めたい」と慎重な姿勢。広く浸透するにはまだ時間がかかりそうだ。

 鳥居薬品は治療可能な病院の一覧をまとめ、ホームページで4月ごろに公開する予定という。

 =2015/02/23付 西日本新聞夕刊=

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