人工DNA 自在に操作 熊大、塩基配列の編集技術確立

西日本新聞

 遺伝子治療・診断などの研究に欠かせない人工DNAを構成する塩基の配列を好みのタイミングでつないだり切ったりする操作技術を熊本大大学院の井原敏博教授(核酸化学)、北村裕介助教(同)らの研究グループが初めて確立した。遺伝情報を保存し、タンパク質合成を支配するDNAの塩基配列を自在に操作できれば、核酸やタンパク質を扱う生命化学分野の研究に新たな展開をもたらすことが期待されるという。論文は7日付の英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズに掲載された。

 人工DNAは化学的に合成する。多様な構造を設計できるため、例えばがんの発現を抑え込んだり、特定の遺伝子を検出したりすることなどができ、遺伝子工学を支える重要な分子素材となっている。

 これまで塩基配列を並び替えるには、塩基を部分的に抜き取ったりつなげたりしなければならず、作成後は元に戻せなかった。

 研究グループは金属イオンを含んだ水溶液を添加することで、ひも状の人工DNAをΩ(オメガ)形に変化させ、必要な2カ所を接近させて塩基配列を変えることに成功。金属イオンを除去すると人工DNAは元の状態に戻り、自在に塩基配列を編集することができる。

 井原教授は「研究者が実験をコントロールできる幅が広がり、遺伝子の新たな働きの開発などに寄与できる」と話している。

=2015/04/14付 西日本新聞朝刊=

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