看護師再受験 外国人を支援 小倉医師会 インドネシア人に来日費用、講義 今年、初の合格者

西日本新聞

 経済連携協定(EPA)に基づく看護師候補として来日したものの、国家試験に合格できず帰国したインドネシア人について、北九州市小倉医師会(宇野卓也会長)が再挑戦を支援する事業に取り組んでいる。帰国後も受験準備ができるよう現地まで講師を派遣し、再受験のための渡航費や滞在費なども助成。2013年度から始めた支援は今年2月の国家試験で、初の合格者を出すなど成果が上がり始めている。地域医療の看護師不足が深刻化する中、新たな担い手づくりが目標で、九州では唯一の取り組みという。

 事業は、インドネシアの事情に詳しい一般社団法人メディカル・プラットフォーム・エイシア(東京)と連携して実施。国家試験を不合格になって帰国を余儀なくされた看護師候補を対象に、日本で身に付けた経験と意欲を無駄にさせないために再挑戦を支援するのが狙い。

 ホームページなどで希望者を募り、年1回行われる看護師国家試験と福岡県准看護師試験を受験してもらう仕組みで、支援内容は(1)同医師会が運営する北九州小倉看護専門学校の教員を現地に派遣して4カ月の集中講義を実施(2)日本への渡航費や受験までの滞在費の提供-など。また准看護師の資格を得ると日本滞在が4年間認められるため、同会会員の医療機関で働きながら同校で学び、再び看護師国家試験に挑んでもらう。

 再挑戦の支援をめぐって日本政府はインターネットで受験準備のための教材提供を行っているが、渡航費などの助成はしていない。

 13年度は6人が対象となり、うち2人が准看護師に合格。北九州市内の病院で働きながら、14年度に対象となった11人とともに今年2月の看護師の試験に挑戦。13年度組と14年度組から1人ずつ合格した。2人はともに30代女性。准看護師合格者も計11人になった。

 事業費は13年度で約300万円掛かり、小倉医師会と同法人がほぼ折半。14年度は医師会が大半の約1千万円を負担し、15年度以降は法人が寄付金で事業費を確保する計画。医師会の原田嘉和理事は「国際貢献と看護師不足の解消を図りたい。他の医師会も一緒に取り組んでくれれば支援の効果も上がるはずだ」と話している。

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 【ワードBOX】EPAに基づく看護師候補者

 日本が2008~14年度にかけてインドネシア、フィリピン、ベトナムから受け入れている。看護助手などとして就労しながら年1回の国家試験を受ける。合格すれば日本で働き続けられるが、来日3年以内で合格できなければ帰国(特例で1年延長可)。これまでに3カ国で計839人が来日し合格者は154人。不合格で帰国した人は400人以上いるとみられる。帰国後も短期滞在で再入国し受験できるが、合格者は小倉医師会が支援した2人を含めて7人程度という。=2015/05/08付 西日本新聞朝刊=

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