既存薬から新薬 九大拠点 別の効き目見つけ"転用" 開発3-5年に短縮 研究所開設 全国初

西日本新聞

 九州大は13日、特定の病気の治療に使われる既存薬から別の病気に効く作用を見つけ、新しい治療薬を短期間で開発する研究所を開設すると発表した。新薬の開発と承認には一般的に10~20年程度かかるが、既存薬は安全性が確認されており、3~5年程度に短縮できるという。九大によると、既存薬の別効果に着目した新薬開発を専門施設で実施するのは全国の大学で初めて。

 別の病気に対する既存薬の効果は偶然発見されるケースが多い。九大の研究所では既存薬の成分を個別に分析し、症状を改善させる作用を効率的に取捨選択する。九州の各大学や製薬会社などとも連携し、5年後をめどにベンチャー企業の設立を目指す。

 研究所は18日、福岡市東区の九大病院キャンパス内に開所し、薬学研究院の教授ら約100人が従事する。九大のこれまでの研究で、神経が傷つけられて発症する慢性的な痛み「神経障害性疼痛(とうつう)」を引き起こす原因物質のタンパク質と、この痛みを緩和させる既存の抗うつ薬を突き止めており、研究所で既存薬から薬効成分を抽出するなどして新薬をつくる。通常、千億円に達する開発費の抑制にもつながるという。

 がんや心疾患など「三大疾病」に効く新薬の開発にも取り組む方針。記者会見した井上和秀副学長(神経薬理学)は「研究所は新薬開発の拠点。患者に早く薬を届けたい」と話した。=2015/05/14付 西日本新聞朝刊=

PR

医療・健康 アクセスランキング

PR

注目のテーマ