心の病 中小企業で3割増 10-14年 九州 40代受診47%増

西日本新聞

 中小・零細企業の従業員がうつ病などの精神疾患で医療機関を受診した件数が全国、九州とも2010~14年の5年間で3割増加したことが9日分かった。心のトラブルで受診することへの抵抗感が少なくなったことや、長時間労働やパワーハラスメントなど労働環境の改善が不十分なことが背景にあるとみられる。

 全国の中小企業の従業員ら約3600万人が加入する「全国健康保険協会(協会けんぽ)」のレセプト(診療報酬明細書)のデータを九州先端科学技術研究所(福岡市)がまとめた。

 従業員がうつ病などの「気分障害」で受診した件数(1人が1カ月に受診した医療機関数の累計)をみると、九州では10年が約18万3千件だったが、14年は約23万7千件と29・5%増加。医療費も30%増え、約52億円となった。全国でも件数が29%増の約207万件、医療費は32%増の約421億円に伸びている。

 九州のデータを従業員の年齢別でみると、40代が件数と増加率とも最高で、受診件数は47%増の約7万件。受診数では30代、50代が続く。企業のメンタルヘルス(心の健康)対策を手掛ける会社、産業医大ソリューションズ(北九州市)の亀田高志社長は「うつ病の啓発効果で受診に抵抗がなくなっていることや、雇用の不安定化や労働環境の要因が考えられる」とみる。

 厚生労働省の調査によると、気分障害の患者数は11年が推計約95万8千人。過去9年で34%伸び、全国的に増加している。また職場の労働条件や職場環境をめぐるトラブルの相談を受ける厚労省の「個別労働紛争」では、パワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」がトップで、13年度は5万9千件に上るなど増加傾向にある。

 連合福岡ユニオン(福岡市)には、職場のパワハラや長時間労働で精神疾患となったとの相談が増加。これらは中小企業に限った問題ではないが、同ユニオンの寺山早苗書記長は「中小企業はパワハラの相談窓口がなく産業医もいないなど、精神疾患の予防や問題発生後に対処する態勢が不十分だ」と指摘している。=2015/06/10付 西日本新聞朝刊=

PR

医療・健康 アクセスランキング

PR

注目のテーマ