ATLワクチン開発 九大など治験 18年度実用化目指す

西日本新聞 坂本 信博

 九州に患者が多い難治性血液がん・成人T細胞白血病(ATL)に対し、血液中の感染細胞を狙い撃ちして症状の進行を止めるワクチンを、九州大や九州がんセンターなどの研究者でつくる厚生労働省研究班が開発した。薬事承認に向けた臨床試験(治験)を始めており、安全性や有効性を確認し、早ければ2018年度の実用化を目指す。

 九州大病院内分泌代謝・糖尿病内科の白土基明助教によると、研究班は感染細胞の表面に「Tax」と呼ばれるウイルスタンパク質が発生することに着目。患者の血液から取り出した白血球を加工し、Taxを標的に感染細胞だけを攻撃するワクチン製剤の開発に成功した。

 ATL患者3人を対象とした事前の臨床試験では、1年以上にわたって症状の悪化を防ぐ効果があることや、患者自身の細胞を加工した製剤のため副作用が少ないことを確認できたという。

 治験は6月から、九州大病院と九州がんセンター、東京医科歯科大などで実施。既存のATL治療薬と組み合わせて投与することで効果が高まることも期待されている。白土助教は「発症予防ワクチンとしての応用を視野に、研究を続けたい」と話している。=2015/06/20付 西日本新聞朝刊=

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