吃音 正しく理解を 九大病院医師 臨床向けに本

西日本新聞

 九州大病院(福岡市)で吃音(きつおん)の専門外来を担当する菊池良和医師(37)が「小児吃音臨床のエッセンス-初回面接のテクニック」を出版した。話すときに最初の1音が出にくかったり、同じ言葉を繰り返したりする吃音について正しく理解してもらおうと、医師や保護者向けに執筆した。「相談先がなくて困っている子どもと向き合い、支援者になってほしい」と願う。

 菊池さんによると、吃音は2~4歳では20人に1人、成人で100人に1人にあるという。発症には体質などが関係しているとされる。治療法は確立していないが、言語聴覚士などによる専門的な指導で症状が和らぐこともある。

 菊池さんは3年前から専門外来を担当し、約100人の子どもから相談を受けてきた。その中で、小児科医などから「親のしつけに問題がある」「ゆっくり話せば治る」などと誤った言葉を掛けられるケースが多かったという。

 自らも吃音がある菊池さんは「『吃音を意識させてはいけない』という周囲の間違った理解で誰にも相談できず、悩みを抱える子も多い」と指摘する。診療や面接を敬遠する医師もいることから「吃音を正しく理解し、臨床に積極的に取り組む人を増やしたい」と出版を決めた。

 B5判、214ページ。発達段階によって症状や悩みが異なるため、幼児から中学生まで5段階に分けて章立てした。臨床経験が豊富な言語聴覚士ら17人の専門家が実践する面接の仕方や、言語療法の実例を紹介。保護者が学校に理解を求める際に活用できるよう、吃音の解説資料も盛り込んだ。菊池さんは「吃音の子が生活しやすい環境づくりに生かしてほしい」と話している。

 2484円。学苑社=03(3263)3817。=2015/07/03付 西日本新聞朝刊=

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