久留米方式 自殺減に成果 医師会と弁護士会が連携 うつ病患者サポート 情報共有、無料相談も

西日本新聞

 交通事故の5倍以上の死者がいる自殺者を減らすため、筑後地区の医師会と弁護士会が連携してうつ病患者をサポートする「久留米方式」が成果を上げている。多重債務や過労などの問題を抱えた患者の相談を医療機関から申し込むことができる制度で、弁護士が無料で法的サポートに当たるのが特徴だ。

 久留米市では2009年に86人だった自殺者が14年には56人に減少しているが、その間に医師会と弁護士会の連携の仕組みが確立している。

 自殺原因として最も多いのはうつ病だ。不眠などの症状が出た人はまずかかりつけ医の内科を受診するケースが多いため久留米、小郡三井、大川三潴、浮羽の4医師会は10年12月、かかりつけ医が患者を精神科に橋渡しすることで適切な治療に結びつける仕組みを始めた。

 一方、県弁護士会は13年12月、自殺の恐れがある人や支援者が電話や面談で無料相談に応じる制度を導入。筑後部会はこれに加えて独自に医師会との連携を始めた。医療機関や保健所を訪れた患者に、借金や労務上のトラブルがある場合、患者本人の同意を得て専用のファクス用紙に必要事項を記入。送信すれば48時間以内に弁護士に相談できる仕組みだ。要望があれば、臨床心理士などの同席も求めることができる。

 具体的に自殺防止につながったケースも報告されている。仕事で金銭トラブルを抱えた50代の男性。相談相手として身近な精神保健福祉士に対しては立ち入った話ができなかったが、客観的な立場で弁護士が関わるようになって重い口を開き始め、回復に至った。

 うつ症状を抱えていた40代男性は、集合住宅の上階との騒音トラブルがきっかけで思い詰め「住人に仕返しして私は自殺する」とほのめかすようになった。久留米方式による弁護士との面談を通じて自殺を食い止めることができた。

 医師会と弁護士会の協力による新たな取り組みの模索も始まっている。県弁護士会自死問題対策委員長の大石昌彦弁護士(久留米市)は「法律相談などで弁護士がうつ病の疑いがある人に接した場合、弁護士会が医師会に連絡して治療につなげる仕組みをつくることも検討中」としている。=2015/08/24付 西日本新聞朝刊=

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