乳酸菌飲料で体調管理 高齢者施設、免疫アップ狙う

西日本新聞

 気温の低下と空気の乾燥が進む季節を迎えた。乳酸菌を含む食品を通じて、高齢者の体調を管理し、感染症のリスク低減を目指す施設の取り組みが注目されている。

 指宿温泉病院(鹿児島県指宿市)は、96人の長期療養患者のほとんどが高齢者。管理栄養士の山口智恵美さん(59)は患者の免疫力アップを意識し、4年前から「乳酸菌シロタ株」を含む飲料を朝食時に提供している。

 約70人に牛乳と乳酸菌飲料から好きな方を選んでもらう方式でスタート。7割の患者が乳酸菌飲料を選んだ。継続摂取している人は便通が良くなるなど体調が改善した。感染症対策としても「周辺施設でノロウイルスの感染例が報告されても、この病院ではなかった」と山口さん。乳酸菌の効果に手応えを感じている。

 乳酸菌など善玉菌を継続的に摂取すると、腸内環境が改善されるほか、感染症にかかっても軽く済むなどの事例が報告されている。ただ、免疫力向上につながる具体的メカニズムは解明されていない。

 食生活と免疫などについて研究している神奈川工科大の饗場直美教授は「年齢とともに免疫力は衰えるが、腸内環境の改善が(ノロウイルスなど)腸管での感染症軽減に役立っている可能性がある。薬剤と違って、食品は急激な効果がないが、人間が長年にわたって食べてきた経験が生きている」と指摘。食生活から健康維持にアプローチすることへの重要性を強調している。=2015/11/12付 西日本新聞朝刊=

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