良い医者の条件は

西日本新聞

 生活保護を受けながら九州北部で1人暮らしの20代男性は、A精神科病院のA医師から精神疾患と診断され、処方された向精神薬を飲み続けてきた。しかし、副作用とみられる体のだるさなどに苦しみ、昨年9月から、薬を飲むのをやめた。この断薬についてA医師に相談することはなく、自分の判断でひそかに実行。A医師の元への通院もその後、数回行っただけでやめた。

 A医師に相談しなかった理由について、男性は「昨年前半はA精神科病院に入院していたが、そのとき、身体の動きを制限された。そのことで、A医師にも不信感と恐怖を抱いていたから」と話す。

 福岡県飯塚市に事務局を置くNPO法人全国精神障害者ネットワーク協議会(ゼンセイネット)が、精神科医療を外来で受ける約千人に対し、昨年12月から今年2月にかけて実施したアンケートがある。その質問項目の中に「あなたにとって良い医者の条件とは」があり、回答者881人のうち3割強の296人が「(患者に)肯定的・信頼できる」と答えている。

 残念ながら、男性の断薬はうまくいかなかった。今度は禁断症状とみられる幻覚やめまいに襲われ、今夏には街中で倒れてしまった。その際、救急車で病院に運ばれ、結局、B精神科病院に3カ月入院。今、男性はB精神科病院に通院して、そこのB医師から処方された向精神薬を再び飲むようになっている。

 「今は向精神薬の副作用もなく、症状も落ち着いているが、ずっと飲み続けるのには抵抗がある。やはり副作用がこわいから。B医師が上手に減薬、断薬に導いてくれれば」と男性。B医師が男性にとって信頼できる存在となることを願いたい。

 ゼンセイネットは、「あなたにとって良い医者の条件とは」の結果を含む調査報告書「精神医療ユーザーアンケート『1000人の現状・声』シリーズ

 できるリカバリー

 できないリカバリー」を9月に発行。2千円(税別)で販売。問い合わせはゼンセイネット事務局=0948(25)8939。=2015/11/27付 西日本新聞朝刊=

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