ヒトiPS由来の腎臓細胞 マウス移植、成長を確認 熊大研究班

西日本新聞

 熊本大の西中村隆一教授(腎臓発生学)らの研究グループは、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った腎臓組織の元となる細胞をマウスに移植し、血管とつなげて成長させることに成功したと発表した。世界初の成果で、20日付の米科学誌「アメリカ腎臓学会雑誌」の電子版に掲載された。

 同グループは2013年、ヒトのiPS細胞を分化させ、血液から尿をろ過する「糸球体」と、糸球体から伸びて水分や栄養分を再吸収する管状の「尿細管」を試験管内で作り出すことに成功。腎臓の作成に向け大きく前進していた。ただ、「糸球体」が血管とつながっていないために未成熟な部分が多く、生体内で機能できるのかどうか不透明だった。

 今回の研究では、糸球体と尿細管に分化する手前段階にある細胞をマウスの腎臓に移植。細胞はマウスの体内で成長し、血管を取り込みながら糸球体を形成した。そして血液から尿をろ過する膜も形成され、ろ過したことで生じたとみられる物質も確認された。尿細管もできた。

 西中村教授は「尿の排出路となる細胞の作成などに課題が残るが、機能する腎臓に一歩近づいた。腎臓病患者の臓器を再現できれば、病気の原因解明や新薬開発に貢献できる」としている。=2015/11/26付 西日本新聞朝刊=

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