九州 熱中症発生率上昇へ 温暖化 死亡リスク7倍 環境省報告書 今世紀末を予測

西日本新聞

 地球温暖化に伴う真夏日増加などで中四国・九州地域では今世紀末、熱中症患者の発生率が全国有数となり、熱ストレスによる死亡リスクが現状比で最大7倍に達すると、環境省の報告書が指摘している。気候変動に伴う健康への悪影響は九州でどうなるのか?

 報告書を基にまとめた。

 報告書は、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)をにらみ、環境省中央環境審議会が3月、温暖化の国内影響を初めて総合評価した。将来起こりうる可能性を示す確信度が特に「高い」とされたのが、熱ストレスでの死亡リスクと熱中症患者の増加だ=表参照。

 死亡リスクは、熱中症や循環器疾患などを引き起こし、1人が1年間に亡くなる確率を計算。基準期間(1981~2000年)と比べ、中四国・九州は今世紀末に3~7倍に増える見込みで、他地域の2~4・5倍を大きく上回る。

 九州の熱中症発生率は今も他地域より高く、基準期間では100万人中35人以上。今世紀末には、同207人以上となる「上位グループ」が全国で16都府県となり、九州は長崎、宮崎両県を除く5県が該当。福岡管区気象台の予測では、九州・山口の今世紀末の真夏日は現状より年に45日間ほど増え、気象研究所(茨城)の楠昌司第1研究室長は「九州は明らかに発生率が高くなる」と指摘する。

 報告書は感染症のリスク拡大も警告。昨夏、東京・代々木公園で人への感染が確認されたデング熱は、海外でのウイルス感染者を国内で吸血したヤブ蚊(ヒトスジシマカ)を通じ広がったとされるが、ヤブ蚊の生息域は既に東北地方まで北上。同じく媒介蚊のネッタイシマカの生息域も台湾まで北上しており、九州・沖縄に忍び寄っている。

 報告書作成に携わった橋爪真弘・長崎大教授(環境疫学)は「蚊の生息域が広がったり、成虫で越冬したりして、デング熱感染の潜在的なリスクは高まる」と指摘。デング熱と同じ熱性疾患の「チクングニア熱」もヤブ蚊を媒介とするため注意を呼び掛けている。=2015/00/00付 西日本新聞朝刊=

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