周産期医療 病床情報を共有 妊婦搬送 スマホで直結 福岡都市圏9施設 新システム コーディネーターも配置

西日本新聞

 福岡都市圏で産科医や病床不足のため、救急搬送される妊婦の受け入れ要請が断られる事例が相次いでおり、福岡県は新年度から、大学病院をはじめとする周産期母子医療センターなど9施設で受け入れ可否情報を共有する新システムを導入する。スマートフォンを使ってリアルタイムに情報が更新されるのが特長で、厚生労働省によると全国でも珍しい取り組み。夜間や休日に搬送先を調整する「母体搬送コーディネーター」も九州で初めて配置し、医師の負担を減らしながら母子の命を守る体制を強化する。

 福岡都市圏には現在、妊婦の受け入れが可能な周産期母子医療センターが5施設あり、妊婦に異常があった場合、かかりつけ医がセンターに直接電話して受け入れを打診している。

 だが福岡県が2012年11月から3カ月間、県内の同センターを対象にした調査では、324件の受け入れ要請のうち67件(21%)を断らざるを得なかった。9割が福岡都市圏に集中し、中でも胎児の異常や切迫流産などに24時間対応でき"最後の砦(とりで)"と呼ばれる総合周産期母子医療センターが7割を占めていた。

 搬送を受け入れられない場合はセンターの産科医が他の施設に電話して受け入れ先を探しており「医師の負担が重く、一刻を争う事態で、搬送先が決まるまでに時間がかかっている」(医療指導課)という。

 スマホで情報を共有するのは、福岡都市圏のセンターのほか、妊婦の受け入れ設備がある「協力病院」4施設。スマホは医療スタッフが携帯し、病床の空き状況などをリアルタイムで入力し、閲覧を可能にする。

 夜間や休日については、助産師もしくは看護師の母体搬送コーディネーターが救急搬送要請を受け、スマホで搬送先を選定し調整する。九州大病院(福岡市東区)か福岡大病院(同市城南区)の総合センターに配置する予定で、県は新年度当初予算案に事業費1351万円を計上する。

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 【ワードBOX】周産期母子医療センター

 通常の産婦人科で対応できないハイリスクな母子を主に受け入れ、周産期医療の中核となる施設。都道府県が大学病院などを対象に指定する。母体胎児集中治療室(MFICU)や新生児集中治療室(NICU)を備える「総合周産期母子医療センター」と、産科と小児科を併設し周産期の比較的高度な診療が可能な「地域周産期母子医療センター」がある。厚生労働省によると、2015年4月現在、全国で「総合センター」は104施設、「地域センター」は292施設。=2016/02/21付 西日本新聞朝刊=

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