経済的理由で受診遅れ 全国で56人死亡 14年 福岡県は最多15人 民医連調べ

西日本新聞

 国民健康保険料を払えず「無保険」状態になるなど経済的理由で医療機関の受診が遅れ、病状が悪化して死亡した人が、昨年1年間で少なくとも全国で56人に上ることが、全日本民主医療機関連合(民医連)の調査で分かった。九州は福岡、長崎、宮崎の3県で計17人。うち福岡が全国最多の15人だった。中高年の独居男性が大半を占め、社会から孤立した人や、貧困のため医療を受けられない人の存在が浮き彫りになった。

 民医連加盟の648医療機関(九州62施設)に報告を求め、回答を集計した。

 死亡した人のうち無保険は20人、保険料滞納で有効期間が短縮された「短期保険証」は8人。17人は保険証を持っていたが、自己負担分の医療費を払えず、受診を先延ばしにしていた。全体の8割が男性。職業別では無職と非正規雇用労働者が計37人で約7割に上った。年齢別では60代が32人と約6割を占め、30~50代も計16人いた。

 福岡県民医連によると、低所得者などを対象にした保険料の減免制度や無料低額診療事業などを知っていれば、早期に治療できた事例が少なくないという。同県の30代女性は乳がんと診断されたものの通院医療費に月9万円かかり、受診を中断。無料低額診療事業を知って再開したときには手遅れの状態で、夫と子ども2人を残して亡くなった。

 福岡県が全国最多となった理由について、県民医連は「他県より掘り起こしが進んでいることもあるが、福岡県は失業率や貧困率が高く、生活保護受給のハードルが高いことも影響している」と指摘。県に実態調査や各種減免制度の周知などを要請した。=2015/08/06付 西日本新聞朝刊=

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