【たちまち小町】認知症に備える保険は? 賠償は損保に特約 治療や介護新商品も

西日本新聞

 ●認知症に備える保険は? 
 認知症の人が徘徊(はいかい)中に起きた鉄道事故に関して家族が鉄道会社から損害賠償を求められた訴訟で、最高裁は家族に責任はないとの判決を出しました。ただ、状況によっては家族が責任を負うこともありそうで、不安です。親や自分が認知症になったとき、保険で備えることはできますか。

 ●賠償は損保に特約 治療や介護新商品も

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。

 ファイナンシャルプランナーの池田賢一さん(55)=福岡市=はまず「個人賠償責任保険」を薦めます。被保険者(保険の対象となる人)が日常生活で誤って他人にけがをさせたり、他人の物を壊したりして、法律上の損害賠償責任を負った場合、賠償費用を補償します。(1)自転車で他人をけがさせた(2)買い物中に商品を壊した(3)マンションの部屋で水漏れし、階下の住人に損害を与えた‐などのケースが想定されています。

 被保険者の範囲は、契約者本人、配偶者、同居の親族、別居の未婚の子ですが、被保険者が子どもや認知症の人など「責任無能力者」の場合、法律上の監督義務者なども対象とする約款の見直しが進んでいます。つまり、補償の対象が、監督義務のある別居の既婚の子、成年後見人などにも拡大。例えば、認知症の人が他人をけがさせた場合、監督義務がある別居の既婚の子も補償されます。

 2016年度中に約款を見直す損保ジャパン日本興亜(東京)は「認知症の人が増え、ニーズが高まっている」(広報部)と説明します。

 この保険は一般的に、火災保険や傷害保険、自動車保険などの特約となっています。「加入している保険の特約をチェックしてみて」と池田さん。

 ただ、今回訴訟になった鉄道事故のようにダイヤの乱れに伴う経済的損失だけで、けが人も物的損害もないケースは補償されません。池田さんは「損保で対応できない場合、生命保険や傷害保険などで備える方法もある」と注意を促します。

 太陽生命保険(東京)は3月、「認知症治療保険」の販売を始めました。加入条件が厳しくない「選択緩和型」の商品では業界初といいます。

 認知症と診断され、日時や場所などが分からなくなる見当識障害の状態が180日間続いたら、最高300万円の給付金が支払われます。給付金は治療費以外にも使えます。認知症の人は給付金の請求自体を忘れる恐れもあるため、給付請求を手伝うサービスなども始める予定です。

 福岡支社(福岡市博多区)によると、既に全国で約千件の問い合わせがあり、50~80代の関心が高いそうです。支社長の満永悟さん(41)は「医療介護費だけでなく、さまざまな経済的負担が増える。負担を軽減する意味で需要は大きいはず」と話しています。

 また、池田さんによると、多くの生命保険会社が要介護状態となった場合に給付金が出る「介護保険」も扱っています。「自分はどのような状態になったときに給付金の支払いを望むのかを明確にし、保険料や給付金額、保障期間、給付条件などを比較して検討してみては」と助言しています。

 お助けいただき、ありがとうございました。


=2016/03/16付 西日本新聞朝刊=

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