【聴診記】乳がんのフミさんへ

西日本新聞

 3月5日付の聴診記で、乳がんを患いながらも家族のために踏ん張り続ける福岡県のフミさん(50)=仮名=について記した。次男(17)の高校退学や、母親(73)が認知症を患って料理が作れなくなったことなど、家族のいろいろな問題が闘病中のフミさんに押し寄せたことを紹介。彼女の「同じような体験をしている人がいれば、話がしたい」との言葉も書くと、読者から手紙が相次いで寄せられた。一部を紹介する。

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 フミさんの力になればと思い、書きました。私はおととしの12月に乳がんと診断され、昨年1月に手術しました。私もフルタイムで仕事をし、まだ成人していない子どもがいます。術後の腕の上がりがよくなく、まだリハビリに通っています。1人暮らしの父は昨年6月に肺炎で入院し認知症の症状も出ました。私は体がきつくて、父の元にあまり行けませんでした。父は昨年10月に亡くなり、私には悔いが残りました。また夫は私が「痛い」と訴えても分からない感じでした。「痛いよね、大丈夫? つらいね」と言ってほしかった。 (福岡県、50代、女性)

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 私が乳がんになったのは16年前40歳のときでした。息子が15歳、娘が10歳でした。娘が成人するまでは何としても生きたいと願いながら身体的、精神的につらい毎日を過ごしました。自分が生きることに精いっぱいなのに、子どもたちが不登校になったり、学校をやめると言い出したりの時期もありました。

 私が45歳のとき、夫が亡くなりました。経済的にも厳しい状況でしたが、幸いにも正規の仕事を持っていたので、子どもたちを大学まで行かせることができました。病気はつらく苦しく悲しいことですが、家族にいろいろやってあげられる幸せや仕事ができる喜びは大きく、今日を生きていることが本当にうれしいです。 (福岡県、50代、女性)

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 フミさんに手紙が寄せられていることを伝えると感激されていた。うれしいことがもう一つ。フミさんの次男がこの3月、別の高校を受験し合格したのだ。


=2016/03/19付 西日本新聞朝刊=

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