長崎移住 決め手は「車中生活」 県がキャンピングカー貸し出し

西日本新聞

 宿泊施設がない場所にも泊まってお気に入りの移住先を見つけて-。長崎県が県内への移住希望者を対象に始めたキャンピングカーの貸し出し事業が好評だ。名付けて「ラクラク移住先探し」。自由に移動しながらじっくり地域の雰囲気を知ることができる手軽さが受け、昨年8月の事業開始以降13組が利用し、3組の移住が決まった。着実に成果が上がっている。

 昨年10月に長崎市に移住した田尻大輔さん(36)、由夏さん(33)夫妻もその一組。大輔さんは熊本県、由夏さんは秋田県出身で、東京都狛江市に住んでいた。大輔さんは独学で絵を習得した画家で、今年6月には海外で展覧会を開く計画もある。

 大輔さんは「東京は消費するだけの街。自分に合った土地で創作活動をしたい」と思うようになり、約2年前から地方への移住を考え始めた。だが雑誌やインターネットで調べ、実際に数カ所を訪ねてはみたものの「住みたい」という実感がわかず、移住先は見つからなかった。

 夫妻は昨年8月、知人の勧めで長崎市を訪れ、県の移住相談窓口でキャンピングカーの貸し出し事業を知った。キャンピングカーは4人乗り軽自動車で、車内にはテレビやカーナビ、シャワー、シンクを装備。1週間かけてじっくりと長崎市や西海市、東彼杵町、波佐見町などを回った。空き家の見学や先輩移住者の話を聞くこともでき、2人は「行く先々で地元の人たちが喜んで受け入れてくれた。開放的な県民性を感じることができ、移住を決めた」と話す。

 県によると、ほかにキャンピングカーを利用して1組が長崎市に、利用者の親族1組が東彼杵町にそれぞれ移住した。大輔さんは「キャンピングカーという非日常だからこそ、周りの環境がよく分かった」。どの町も気に入ったという田尻さん夫妻は当面長崎市に住みながら、時間をかけて県内で移住地を決めることにしている。


 長崎県はキャンピングカー貸し出しをレンタカー会社に委託。貸出期間は最長1週間で、レンタル料は1日8000円。移住相談や空き家見学など県の「移住先探しメニュー」を使うと1日最安3000円で利用できる。県によると、これまで半数以上が関東からの申し込み。新年度からは福岡発着のプランを始める。問い合わせは長崎県地域づくり推進課=095(895)2241。

=2016/03/29付 西日本新聞朝刊=

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