膵がん進行 遺伝子関与 大分大解明 欠損で臓器内に増殖

西日本新聞

 大分大医学部の泥谷直樹助教(分子病理学)らの研究チームは30日、難治性の膵臓(すいぞう)がんの進行に関係する遺伝子を発見したと発表した。膵臓の表面に当たる膵管上皮内に発生したがんが遺伝子「DUSP4」の欠損によって臓器内に深く増殖していくことを、がん細胞のゲノム(全遺伝情報)を解析することで突き止めた。研究チームによると、膵がん進行のメカニズムを解明したのは初めて。米科学雑誌「キャンサーリサーチ」電子版に掲載された。

 泥谷助教によると、上皮内にとどまっているがん細胞と浸潤がん細胞のゲノムを比較すると浸潤がんではDUSP4が欠けていた。DUSP4は、がんの増殖を高める酵素MAPキナーゼの働きを抑制することが分かっており、DUSP4が膵がん進行のブレーキ役になっていると分析している。

 膵がんは治療が難しいがんの一つ。浸潤がんになって発見される場合が多い。MAPキナーゼを抑制する既存の薬はあるが、膵がんへの有効性は確認されていない。DUSP4が欠損する原因究明やMAPキナーゼの抑制法の開発が今後の課題で、泥谷助教は「さらに研究が進めば、複数の薬の組み合わせなどで浸潤がんを抑える有効な治療ができるかもしれない」と話している。


=2016/03/31付 西日本新聞朝刊=

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