障害者のマーク 知ってますか 当事者団体や国などが作成 理解と配慮求め

西日本新聞

 車いすやチョウ、ハートにプラスと書いたマークなど、障害者に関するマークは多くある。しかし、正確な意味は広く知られていないようだ。4月、障害者の特性に応じた「合理的配慮」を公的機関や民間事業者に求める障害者差別解消法が施行された。私たちはどういう配慮をしたらいいのか。それを考えるためにも、まずはマークの意味を知ることが必要だ。

 障害者に関するマークは当事者団体や国、自治体などが作っている=図参照。当事者が身に着けて周りの人に援助を求めるほか、病院や自治体が窓口に掲げ、障害に応じた配慮をすることを伝えている。

 ただ、マークの認知度は十分とはいえない。福岡県内に暮らす女性は10年前、交通事故で線維筋痛症や慢性疲労症候群など四つの疾患を発症した。全身に痛みがあり、つえを使う。以前は「ハート・プラスマーク」などをかばんに付けていたが、電車やバスで席を譲ってもらえることはほとんどなかった。

 こうした状況を受け、当事者が必要としていることを具体的に記すマーク付きカードを発行する動きが広がっている。東京都は2012年、「ヘルプマーク」を作成し、裏側に緊急連絡先や必要な援助を書いたシールを貼れるようにした。福岡県は今年1月、「ヘルプカード」を作成。裏面に「私が手伝ってほしい事」と記し、必要な援助を書けるようになっている。

 この女性は同県のヘルプカードを、裏面が見えるようにかばんに付けたら、席を譲ってもらえることが増えた。「マークは意味が伝わらなければ本末転倒」だと思う。

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 マークを知らないと、障害者に配慮できないだけでなく、法律違反につながることがある。

 例えば、チョウをイメージした「聴覚障害者標識」と、四つ葉の「身体障害者標識」。障害者が運転するこれらのマークを付けた車に幅寄せや割り込みをすると、道路交通法違反で反則金や罰金の対象になる。

 マークを持っている人を見たらどう配慮すればいいのか。オストメイトマークを作った「交通エコロジー・モビリティ財団」(東京)の担当者は「人工肛門や人工ぼうこうを付けている人は外から見て障害があると分からないため、多目的トイレを使うと事情を知らない人から怒られることがある。マークを見たら理由があって使っていると理解してほしい」と話す。

 福岡市身体障害者福祉協会の中原義隆会長(75)は、障害者の社会参加を促進しようという「イエローリボン」をいつも胸元に付けている。「何のマークか」と聞かれることも多く、そのたびに説明し、理解を広めている。「マークは理解されてはじめて効力が発揮される。学校教育などでも取り上げてほしい」と呼び掛けている。


=2016/04/14付 西日本新聞朝刊=

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