ストーカー 治療で防止 福岡県警 加害者と医療機関仲介

西日本新聞

 深刻なストーカー被害に歯止めをかけようと、福岡県警は4月から、容疑者と精神科系の医療機関を橋渡しする新たな取り組みを始める。相手の気持ちを無視してつきまとうストーカー行為の防止には、感情の制御方法を身に付ける認知行動療法が有効とされており、任意で受診を勧める。取り締まりに加え、警察が「治療」のアプローチからも再発防止に乗り出す形で、成果が注目される。

 福岡県警は、精神科や心療内科がある同県内の医療機関に「加害者医療」での連携を相談し、17機関から協力を取り付けた。

 対象になるのは、県警が刑法やストーカー規制法違反容疑で逮捕したり、警告を出したりした容疑者・加害者。本人の同意を得た上で医師に相談し、認知行動療法などの医療が必要と判断されれば受診を勧める。県警は医師に相談の謝礼金は支払うが、受診料は容疑者側の負担になるという。

 ストーカー問題をめぐっては、2013年に東京都三鷹市で高3女子生徒が元交際相手の男に刺殺された事件など、全国で年間2万件前後の相談が寄せられる状況が続いている。

 こうした事態を受け、警察庁は昨年3月、「ストーカー総合対策」をまとめた。加害者更生について、都道府県警察に医療機関との連携を求め、通達で具体化を指示していた。九州7県では、宮崎県警も1月末から同様の取り組みをスタート。他の5県警は医師会などと調整中という。

 福岡県内の昨年1年間のストーカー相談件数は1314件で前年比111件減となったが、規制法違反や刑法違反容疑の摘発件数は108件と同10件増加、警告・禁止命令件数は93件で同6件増えた。


=2016/04/13付 西日本新聞朝刊=

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