タオル帽子広がれ 福岡の中村さん がん闘病機に手作り

西日本新聞

 「タオル帽子に元気をもらった」と語る女性がいる。5年前にがんを患った福岡市南区の中村貴子さん(53)。日常生活を取り戻した今、「無理なく同じ病気の人を励ませる」と、タオルで手作りした帽子をがん患者に贈る市民グループ「あいう笑(え)がお」(福岡県大刀洗町)の活動に加わっている。

 中村さんは2011年7月、卵巣がんと診断されて両卵巣などを摘出。翌月から抗がん剤治療を始めた。

 「手術すれば治ると思っていたら、その後のダメージが想像以上に大きかった」。抗がん剤投与から4、5日後に髪が抜け始め、痛みや吐き気に襲われた。「前向きに」と自らを鼓舞しても、まばらになった髪を見るだけで落ち込んだ。

 頭を隠そうと帽子を探し、患者向けの市販品を買ったが素材も柄もいまひとつ。治療で入院していた同年10月、近くの病室にすてきな帽子の女性患者がいるのを見つけた。「タオル帽子といって、あなたにも作れるわよ」と教わり、自分用に夢中で作り始めた。

 選んだのは白い花が描かれたピンクのタオル。「好きな柄で気持ちも明るくなり、柔らかい布地に守られている感じも良かった」。副作用の汗に悩まされていたが、タオルの吸水性の高さに助けられた。

 治療を終えて1年近くたったころ、あいう笑がお代表の末次由美さん(49)に出会って活動に共感した。自宅で縫った帽子を提供する形で携わっている。

 空いた時間に一針一針。「こんなおしゃれな帽子なら元気が出るかな」。針の向こうに笑顔を思い浮かべている。

 ●制作を支援 5月講習会 エリアセンター連合会

 西日本新聞エリアセンター(AC)連合会は、がん患者を応援するため、タオル帽子を作る個人やグループを支援する活動を始めます。来年の本紙創刊140周年事業。その第1弾として5月28日、福岡市・天神の西日本新聞社で、タオル帽子をテーマにした講演会と講習会を開きます。

 講師は福岡県大刀洗町の市民グループ「あいう笑(え)がお」代表の末次由美さん(49)と夫の寿さん(46)。講演会は午前10時半から、講習会は午後1時からで、「あいう笑がお」のメンバーが、タオル帽子の作り方を教えます。

 講演会と講習会に参加し、今後の審査で一定の条件を満たした個人やグループには、AC連合会がタオルと助成金を支給し、活動を支えます。

 参加希望者は住所、氏名、年齢、連絡先などを記入し、メール=taoru-egao@nishinippon-np.jp=か往復はがきで申し込む。定員50人、参加費1人1000円(昼食と材料代)。グループでの参加は3人以内。宛先は〒810-8721(住所不要)西日本新聞社販売局企画開発部「タオル帽子係」。締め切りは5月10日。問い合わせは同部=092(711)5430。


=2016/04/26付 西日本新聞朝刊=

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