かがまず靴下はける 手作り「自助具」で不便解消

西日本新聞

 靴下をはくとき、前かがみの体勢がつらいと感じたことがある人もいるだろう。楽に靴下をはくための道具「ソックスエイド」を手作りする講座があると聞き4月、北九州市小倉北区の福祉用具プラザ北九州を訪ねた。

 「うわー、便利」。講師の同プラザ作業療法士、安部千秋さん(34)が道具を使って、靴下をはいてみせると、11人の参加者から歓声が上がった。椅子に座ったまま膝や腰を曲げずにはけるので、脚や腰が悪い人だけでなく、妊娠中の人にも役立つという。

 私も実際に作ってみたが簡単にでき、作り方さえ分かれば誰でもどこでも手軽に製作できそうだ。安部さんは「少しずれてしまうなど、左右対称でなくなっても使えます。気軽に作ってみてください」と話した。

 材料のPPシートは、ホームセンターや100円ショップ、インターネット通販などで手に入る。A3サイズのクリアファイルに厚紙をはさんだものでも代用可能という。15分で作り終えた女性(66)は「股関節が悪い知人にあげるつもり。こんなものが欲しかったと喜んでくれそう」と笑顔を見せた。

 ソックスエイドは「自助具」の一つ。自助具とは何だろう。「体の不自由な人や高齢者が、身支度や食事など日常生活の動作で感じる不便を解消し、自分でできるようにするための道具ですよ」と、もう一人の講師、同プラザ理学療法士の権藤有紀さん(24)が教えてくれた。

 腕を持ち上げなくても背中が洗える長い柄が付いたスポンジや、缶飲料を持ちやすくするための持ち手など、多くの種類があるそうだ。簡単なものは手作りできるが、既製品も多くあり、介護用品を扱う店などで販売されている。

 福祉用具の普及を推進する「テクノエイド協会」(東京)=03(3266)6880=は、自助具の活用事例や手軽に作れる自助具の製作方法を紹介したハンドブック(1234円)を販売している。

    ◇   ◇

 自助具を作る講座が各地で開かれている。福祉用具プラザ北九州=093(522)8721=では原則、毎月第2日曜に開催。無料。6月12日は「リーチャー」という物を拾ったり引き寄せたりする道具を作る。

 福岡市介護実習普及センター=092(731)8100=は原則、毎月第2土曜に開催。材料費が必要。6月11日は片手で楽に瓶のふたを開けるための道具「瓶オープナー」を作る。

 佐賀県在宅生活サポートセンター(佐賀市)=0952(31)8655=は7月16日と8月20日に開催。材料費が必要。7月は本を開いたまま固定しておくための「書見台」を作る。

 製作過程で特殊な道具を使うこともあるので、全てが自宅でも作れるわけではない。

 〈ソックスエイドの作り方〉

【材料】PPシートまたはPPクラフトシート(厚さは0.75ミリ程度が使いやすい)30センチ×35センチ、ひも150センチ

【作り方】(1)シートを型紙の大きさに合わせてはさみで切る。
(2)靴下が引っ掛からないように、切り口をやすりで整える。
(3)ひもを通すための穴をカッターで開ける(けがに注意)。
(4)穴にひもを通し、抜けないように両端に結び目を作る。


=2016/05/19付 西日本新聞朝刊=

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