熊本 買って支援 特産品やチャリティー商品

西日本新聞

 熊本地震の被災地の特産品や寄付金付き商品を買って、被災地を支援する動きが広がっている。全国から注文が相次ぎ、注文時に寄せられる声が被災者を励ましてもいる。被災地から離れていても、消費者としてできる支援がある。

 熊本県産の野菜や果物を取り扱う熊本大同青果(熊本市)の通信販売サイトは地震発生後、利用者が通常の月平均(500~600人)から約2割増えた。特に、被災地応援を銘打った「店長おまかせセット」(野菜10種詰め合わせ3240円)が人気だ。

 同県内の青果出荷量はほぼ平常に戻っており「食べてもらうことが被災した生産者の喜びにつながる」という。注文時には「頑張ってください」などの励ましも書き込まれており、担当の田原由希さん(30)は「全国の方が応援してくれていると感じる」と話す。

 寄付金付きの商品にも大きな反響がある。福岡市でハーブティー専門店「デザインウィズティーサロン」を展開するイノベイド(同市)は5月に「南阿蘇応援ブレンド」(30グラム1080円、100グラム2654円)を発売。売り上げの一部を義援金として日本赤十字社に寄付する。5月末までの販売予定だったが、好評のため、新たに熊本県南阿蘇村産ハーブを使って販売を続ける。

 服飾雑貨販売のビームス(東京)は「くまモンチャリティーTシャツ」(3千円)を販売している。初回生産分1500枚を上回る予約が殺到、追加生産中だ。全収益を、熊本県内で避難所運営などを支援する公益社団法人シビックフォース(東京)に寄付する。

 いすみ鉄道(千葉県)など第三セクターの鉄道会社4社は、今も全線運休中の南阿蘇鉄道(熊本県高森町)を支援するため「南阿蘇鉄道 希望の光 復興祈念切符」を共同販売している。同鉄道・高森駅を含む各鉄道の駅や、いすみ鉄道と由利高原鉄道(秋田県)のサイトから購入できる。1セット千円で、うち700円が南阿蘇鉄道に寄付される。入荷に時間がかかる場合があるが、予約は受け付けている。

 ●生産者支える通販企画 南阿蘇出身 井手さん

 熊本県南阿蘇村出身で、地域振興事業を手がけるNPO法人「イデア九州・アジア」(福岡市)の理事長井手修身(おさむ)さん(52)=写真=は、被災した同村の生産者を応援しようと、特産品の通信販売を企画した。「被災地の外でできるのは、被災者のなりわいを成立させること」と話す。

 井手さんは本震翌日の4月17日以降、同村へ何度も支援物資を運んだ。親交のある農園を訪ねると断水などでイチゴの苗が全て枯れ、5月の大型連休の観光客を見込んで仕入れた特産品の在庫を大量に抱える事業者もいた。

 そこで、特産品を詰め合わせた「がんばれ南阿蘇応援BOX」の販売を同村商工会に提案。パスタやジャムなどのセット(5千円と1万円)を用意して、今月9日に予約を受け付けると、1日で約500件の注文があった。18日には発送作業も始まった。

 「南阿蘇村では7割の店が通常営業しているが、観光客が来られない。道路状況が良くなるまで、何とかして生活するすべをつくるしかない」。井手さんは積極的に被災地の商品を買うことが、被災した生産者や事業者に経済的な支援を直接届けることになると訴えている。


=2016/05/27付 西日本新聞朝刊=

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