就学援助、九州の市町村で格差 所得基準に最大3倍の開き

西日本新聞

 経済的に困窮する小中学生の家庭に学用品費などを助成する就学援助制度で、生活が苦しい「準要保護世帯」の認定条件となる所得基準に、九州の市町村間で最大3倍超の格差があることが、西日本新聞とNHKが九州・沖縄の全市町村・組合の教育委員会に実施した調査で分かった。4人家族の課税所得が383万円程度で受給できる町がある一方、120万円以下でなければ受給できない町もある。「学ぶ機会の平等」を保障するはずの制度に、大きな地域格差がある実態が初めて明らかになった。

 九州・沖縄の全276教委にアンケート

 就学援助の対象には、国の基準に沿って生活保護を受ける「要保護世帯」と、市町村が独自に認定基準や補助費目を定める「準要保護世帯」がある。準要保護世帯への就学援助については、国と地方の税財源を見直す「三位一体の改革」で国庫補助が2005年度に廃止され、市町村に財源と権限が移譲された。

 制度の運用実態を探るため本紙とNHKは4月、九州・沖縄の全276教委にアンケート用紙を送付。このうち、九州の全235教委では、熊本地震で庁舎が被災した自治体などを除く215教委が回答した。

 16年度の準要保護世帯の認定基準年収(目安を含む)を、両親と子2人の4人世帯(父40歳、母35歳、9歳と4歳の子)の場合で尋ねた。基準は大きく分けて、「収入」と、収入から社会保険料などを差し引いた「課税所得」の二つがあり、自治体で金額に大きな幅があった=グラフ参照。

 「収入」が基準の自治体で最も高かったのは福岡県みやこ町の447万円で、最も低かったのは宮崎県高鍋町の210万円。「課税所得」で最も高かったのは熊本県甲佐町の383万円、最低は鹿児島県徳之島町などの120万円だった。

 「基準額を定めていない」「非公表」「状況をみて総合的に判断」など、基準額があいまいな自治体も29市町村に上った。

 みやこ町は生活保護基準額の1・5倍で基準年収を設定しており、「周辺自治体よりも高めだが、援助を必要とする人が支援を受けられるようにした」と説明。高鍋町は同1・1倍で、基準を厳しくせざるを得ない理由として「財源が厳しく、予算確保が困難」と回答。担当者は「国庫補助を復活してほしい」と訴えた。

=2016/05/30付 西日本新聞朝刊=

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