安定財源明示できず 社会保障充実なお不透明 自民参院選公約

西日本新聞

 自民党が3日発表した参院選公約は、消費税率10%への引き上げ再延期を明記する一方、安定財源の確保と社会保障の充実をうたったが、両立の具体策は示されていない。安倍晋三首相(自民党総裁)の宿願である憲法改正は前回に比べ記述量が減り、表現も抑制的になった。

 「介護職員の給与を月額平均1万円増額」「給付型奨学金の創設を検討」…。公約は前日に閣議決定された「1億総活躍プラン」に盛り込まれた子育て支援などの政策を基本的に踏襲。財源については「赤字国債に頼らない」と、1日の首相会見をなぞった格好だ。

 だが、その裏付けは不透明。「構造改革を加速」「アベノミクスのエンジンをフル稼働」とするが、景気回復による税収増が大前提。稲田朋美政調会長は公約発表記者会見で「しっかりとした財源を見つけて(社会保障政策を)充実させる」と述べるにとどめた。

 5月の党首討論では民進党の岡田克也代表が赤字国債で社会保障の充実を図るよう要求したが、稲田氏は「(借金に頼る)無責任な政策は取らない」と批判。野党が「失敗だ」と酷評するアベノミクスの是非とともに、必要な社会保障施策の財源確保と財政健全化の両立をどう図るのかも参院選の主要な争点になる。

 憲法改正は公約集の最終26ページの末尾に「国民の合意形成に努める」などと10行記載があるだけ。

 3年前の前回参院選では1ページを割き、「憲法を国民の手に取り戻す」と宣言。国防軍設置や改憲発議要件の緩和など党憲法改正草案の主な改正項目を列挙した。2014年衆院選の公約でも「憲法改正原案を国会に提出」「国民投票を実施」としており、明らかに表現は後退した。

 首相は14年12月の第3次安倍内閣発足時の記者会見で、改憲を「歴史的なチャレンジ」と位置付け、今年の通常国会では参院選での争点化にたびたび言及してきた。「争点隠し」との批判も出そうだが、稲田氏は「(表現が)抑制的だとは思わない。(憲法改正は)わが党の党是だ」と強調した。

=2016/06/04付 西日本新聞朝刊=

PR

政治 アクセスランキング

PR

注目のテーマ