【おしごと拝見】税関検査 北九州空港 違法品に経験の目が光る

西日本新聞

 海外旅行から帰ったときには、税関の手荷物検査場を通る。外国の商品をきちんと税金を払って持ち込んでいるか、違法な物を持っていないか、荷物を開けて調べられることもある。しかし、海外帰りの大きな荷物を探るのはとても大変そう。どうやっているのかな?

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 ●見つからない

 こども記者は、国際線の発着がなかった日に北九州空港のターミナルビル(北九州市小倉南区)を訪ね、特別に本物の手荷物検査場に入らせてもらった。案内してくれたのは、門司税関の職員の皆さんだ。九州には税関が二つあり、門司税関は福岡や佐賀の一部を含む九州のほぼ東半分を、残りの西半分を長崎税関がそれぞれ管轄している。

 こども記者は、実際の手口通りに偽物の麻薬や拳銃が隠されたスーツケースを用意してもらい、税関職員の指導の下で、検査の体験をさせてもらった。

 日浅記者は、お菓子や本の中を探り、“密輸品”を着々と見つけた。だが、たたんであった上着のポケットの中にある麻薬を見落とした。意外と簡単な場所に隠されていることもあるそうだ。

 中村記者は、最後の一つが見つからず大苦戦。「スーツケース自体に細工がしてある場合もあります」と教えられ、二重になった底から麻薬を見つけた。

 見た目で分からないものは、エックス線検査装置に通す。包装してあったチョコレートの箱を装置に通すと、包み紙の中身はすかすか。封を開けると、チョコレートをまねた麻薬が入っていた。

 こども記者は、全ての荷物をスーツケースの外に取り出して検査していた。それを見た河野英嗣さん(55)は「密輸品がどのように隠されていたかも記録しないといけないので、本当はばらばらにしてはいけません」。多くの乗客を待たせてもいけないので、吉永歓さん(48)は「素早く検査を済ませることも大切」と教えてくれた。

 ●判断が難しい

 体験を終えたこども記者は、税関職員の大変さを思いやっていた。「判断がなかなか付かず、怪しいと思った物は、全てエックス線にかけた。経験のない私が素早く判断するのは難しく、税関は経験が大切なお仕事なんだと思った」(日浅記者)、「集中力や直感が大事になりそうな仕事で、すごいと思った」(鈴木記者)

 偽ブランド品を見分けるクイズにも挑戦した。「経験を積んだ職員さんの話では『本物は意外とシンプル』だそうだ。ここでも経験が必要になってくる」(日浅記者)

 だが、荷物検査は、実は税関の仕事の一部でしかない。他にも正しく貿易が行われているか、船や飛行機の中を調査したり、郵便を調べたりするそうだ。

 また、仕事以外に勉強も欠かせない。永田俊貴さん(21)は「旅行者には日本語が通じない人もいるので、韓国語を勉強しています」と、教えてくれた。

 取材を終え、中村記者は「今、英語の勉強に力を入れている学校に通っているので、将来は税関職員になるのもいいかもしれない」と、進路の選択肢が広がった様子だった。

 ●わキャッタ!メモ

 ▼税関職員になるには 今回取材したような現場で活躍する税関職員になるためには、高校か大学を卒業して公務員試験に合格することが必要。その後、全国に9カ所ある税関ごとに試験を受けて採用される。門司税関では2015年は19人、16年は29人が採用されている。全国では15年は約240人、16年に約350人。最近は日本に来る外国人観光客の増加もあり職員数も増えているという。

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=2016/06/05付 西日本新聞朝刊=

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