「18歳」懐柔へ各党手探り イメージ戦略、効果未知数

西日本新聞

 「18歳選挙権」が導入される参院選に向け、九州でも与野党の若者対策が本格化してきた。自民党福岡県連は5日に「学生部」を設立し、大学生が街頭デビュー。民進党同県連も若者への意識調査で支持獲得の戦略を練る。少子化の進行で層が薄く、投票率も低い若者の取り込みは選挙戦略で後回しにされがちだったが、「18歳選挙権」を機に将来世代へのアピールが政党イメージに直結するとあって、各党があの手この手で「接近」を試みる。

 着慣れないスーツ姿の若者約20人が集まった。5日、福岡市・天神のホールであった自民党福岡県連学生部の設立大会。「保守の学生の受け皿ができた。責任も感じている」。部長に就任した西南大4年の楢原直人さん(25)が決意表明した。

 学生たちは街頭にも繰り出した。国会議員たちと並んで初めてマイクを握り「熊本地震で災害救助を支える政治の力の大切さを学んだ」。給付型奨学金の創設、デフレ脱却に向けた消費税増税先送りなどを訴える国会議員の脇を固めた。

 公明党は若者向けイベントを全国で展開中。福岡市では5月、俳優やタレントが出演し、党の実績をアピールした。参院選立候補予定者の出番は終盤だけだったが「最初に接触した政党に親しみを感じるはず」(党関係者)との狙いで集客を重視し、1万1千人を集めた。一方、民進党福岡県連は20代を中心に約2千人に政治参加などに関する意識調査を行い、分析に基づく党活動への提言を5月に取りまとめている。

 総務省の人口推計(5月1日現在)によると、20代の人口は1271万人で、40代や60代人口の約7割にとどまる。前回2013年参院選の投票率も20代は33・37%で、60代(67・56%)のほぼ半分にすぎない。政党にとって得票の上積みが見込みにくい年代層で、政策ターゲットとしても意識されてこなかった。

 若者対策に躍起になる政党側の思惑はイメージ戦略だ。自民党は安全保障関連法への反対運動で注目された学生グループ「SEALDs(シールズ)」を意識。福岡県連幹部は「学生は革新的というイメージがあるが、保守的な学生もいる。対抗勢力の存在を示す意味もある」と明かす。

 ただ、若者の心をつかむのは容易ではない。自民党宮崎県連は学生部の設立に向け「部活よりもずっとちょろい」と県議がフェイスブックでメンバー募集を始めたが、2カ月半たっても応募ゼロ。民進党福岡県連も「若者対策は数十年来の課題。意識調査をしたものの、どうすれば効果的なのか正直分からない」(幹部)と戸惑う。

=2016/06/06付 西日本新聞朝刊=

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