原発再稼働 論戦低調か 3陣営とも「是認」選択肢なく 参院選大分選挙区

 7月10日投開票の参院選で主要な争点の一つとなる原発再稼働問題が、大分選挙区(改選数1)の論戦で盛り上がりそうにない。大分市から最短で約45キロの距離にある四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)は同月下旬にも再稼働する見通しだが、立候補表明している3陣営は濃淡こそあれ「是認」で一致。再稼働に反対する市民団体からは「重要な問題なのにわれわれの意見の受け皿がない」といった声も上がっている。

 脱原発の共産党と社民党は今回、選挙区への擁立を見送り民進党現職の足立信也氏(59)に一本化した。ただ、有力労組「電力総連」の支援を受ける足立氏は「反対とは言えない」(民進県連幹部)立場。3党で取り交わした「確認書」を作成する際にも、原発への言及を求めた共産の提案を民進側は受け入れなかったという。

 自民党新人の古庄玄知(はるとも)氏(58)も、「安定的かつ低コストのエネルギー供給」を掲げて再稼働に前向きな党の方針を踏襲するとみられ、周辺は「そもそも反対する理由がない」と説明。各地で開いている集会で再稼働の是非について触れることはほぼなく、前哨戦では一貫して「安定政権による安定した政治が必要。それが景気回復に結びつく」と訴えている。新人の上田敦子氏(49)を擁立予定の幸福実現党は「原発ゼロは幻想にすぎない」と主張している。

 こうした状況に、「脱原発大分ネットワーク」(大分市)の小坂正則事務局長は「1人区なので多様な意見が反映されないのは仕方ない。せめてわれわれの思いを理解してもらいたい」と話す。ある候補者周辺と接触したが、反応が良くなかったためメンバーや支援者には比例区での投票を勧めているという。

 野党共闘の裏で、“黙殺”される民意もあるということか。

=2016/06/09付 西日本新聞朝刊=

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