議席、三つの攻防 投開票日まで1ヵ月

西日本スポーツ

 7月10日の参院選投開票まで1カ月。安倍晋三首相は「与党で改選過半数(61議席)」を勝敗ラインに設定した。自民党は参院で27年ぶりの単独過半数となる57議席を視野に入れる。憲法改正を目指す政党が、3分の2以上の議席を得るかどうかも関心事だ。焦点となる議席数を展望した。

 【61】与党で改選過半数 首相設定の勝敗ライン

 首相は参院選の勝敗ラインについて、1日の記者会見で「与党で改選過半数」と宣言した。

 参院は定数242で、過半数は122議席。3年ごとに半数を改選するので、改選過半数は61議席だ。

 与党の改選議席は、自民50と公明9を合わせ59。与党は非改選議席が76あるため、46議席を獲得すれば参院で過半数を維持できる。それでも首相は「(消費増税再延期の)信を問いたいから厳しい目標を掲げた」と61議席にこだわった。

 61議席は、与党の改選数に2議席上乗せすれば届くため、自民党選対関係者は「高い内閣支持率を考えれば難しくない」とみる。一方で、改選数1の全32選挙区で野党が候補者の一本化に成功しており「1人区で2桁落とすようなら厳しくなる」(自民党幹部)と懸念もある。

 改選過半数を達成すれば首相は求心力を保ち、安定した政権運営を続けることができそうだ。

 【57】自民が単独過半数に

 自民党は57議席で、参院では1989年以来の単独過半数を手にする。麻生太郎財務相は今年に入り、派閥会合や記者会見で「単独過半数を実現することが使命だ」と繰り返している。

 自民党は、野党時代の2010年参院選は51議席、政権復帰後の13年参院選は65議席で勝利した。

 5月の独自調査で「単独過半数に届く勢い」との結果を得て、麻生派のベテラン議員は「57議席は十分可能」と自信を見せる。「影響力低下を懸念する公明党が単独過半数を嫌って、自民党候補の支援を緩めることもあり得る」との見方もある。

 自民党が衆参両院で単独過半数になっても、自公関係に直ちに影響が出る可能性は低い。ただ、自民党は単独で法案を成立させることができるようになるため、これまで以上に強気の国会運営を行うことも想定される。

 【78】「改憲勢力」3分の2

 憲法改正の発議には、衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が必要。参院の条件は162議席だ。

 衆院で3分の2を持つ自民党、公明党が参院で同じ状況をつくるには86議席を取らなければならない。両党が連立を組んで以降、参院選で最も多い議席は小泉ブームに沸いた01年の77議席(自民64、公明13)。首相は「与党で3分の2を取ることは不可能」と認めた。

 与党に、憲法改正を公約するおおさか維新の会や日本のこころを大切にする党を加えると状況は変わる。4党の非改選議席は84。78議席を取れば3分の2に届く。78議席に近づけば、無所属や民進党の改憲派議員に連携を求めるとみられる。

 野党は「改憲勢力の3分の2は絶対に許さない」(民進党の岡田克也代表)と阻止に全力を挙げる。

=2016/06/10付 西日本スポーツ=

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