ひとり親支援、非婚にも拡大 熊本市など「寡婦控除」みなし適用

西日本新聞

 同じひとり親家庭でも、結婚歴がなければ税法上の優遇措置である「寡婦(夫)控除」が受けられず、保育料だけでも年に最大で約20万円の開きが生じる。こうした格差を是正しようと、非婚のひとり親家庭にも控除を適用したと見なして、保育料や公営住宅家賃などを安くする自治体が増えている。九州では2013年度の熊本市を皮切りに、佐賀市を除く全県庁所在地や福岡県の14市町などで順次導入。ひとり親家庭の相対的貧困率が5割を超える中、自治体が国に先行して支援に乗り出している。

 寡婦控除の「みなし適用」は、シングルマザーの増加を受けて1997年、岡山市が全国で初めて保育料算出時に導入した。

 非婚のひとり親に控除が適用されないのは婚外子差別に当たるとして、女性団体や国連機関などが政府に税制改正を働き掛けてきたが、自治体がみなし適用で一気に動きだしたのはこの5年間ほどだ。

 西日本新聞が九州の県庁所在地、政令市、中核市などに取材したところ、熊本市が13年度から開始。14年度は北九州市、長崎市、宮崎県延岡市▽15年度は福岡市、大分市、宮崎市▽16年度は鹿児島市や福岡県筑紫地区の市町-などが始めた。

 みなし適用の対象は、自治体によって保育料だけだったり、私立幼稚園就園奨励金、就学援助、公営住宅家賃など数十事業を対象としたりするなど、さまざまだ。福岡県によると、今年4月現在、県内で保育料のみなし適用を実施しているのは14市町に上る。

 福岡市の14年の試算では、年間の給与収入200万円の母親と3歳児の2人暮らしと仮定すると、寡婦控除を適用するか否かによって、保育料で年間19万6800円の差があった。

 NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福岡」(福岡市)の試算では、年収200万円前後の経済的に厳しい世帯が、みなし適用による負担軽減効果が高いことが分かっている。

 いずれの自治体も、みなし適用は本人の申請が必要。福岡市では15年度に保育料で13人に適用。北九州市では今年4月現在、41人に適用した。

=2016/06/20付 西日本新聞朝刊=

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