震災下での選挙 熊本大・鈴木教授に聞く 露呈した行政課題の論戦を

 22日公示の参院選は、県内では熊本地震のさなかという異例の状況での選挙戦となる。候補者は何を訴えるべきか。有権者の投票への心構えは。熊本大法学部の鈴木桂樹教授(政治学)に聞いた。

 -選挙の位置付けは。

 「野党各党が統一候補を擁立し、安全保障関連法の廃止などを巡り、激しい政策論争が行われる選挙になるはずだったが、熊本地震の発生で一変した。被災者たちの関心は当然ながら、自分たちの生活をどう取り戻し、被災地の復旧復興の道筋をどのように描いていくのかに向いている。直接的に被災地復興に携わっている与党側が優位になったともいえる」

 -候補者は何を訴えるべきか。

 「地震発生によって、多くの行政、政治課題が露呈したことも事実だ。例えば、災害弱者をどのようにして支えていくか。介護が必要な被災者とその家族が、『周りに迷惑を掛けたくない』と避難所を避けるようなケースも生まれている。野党側は、地震であぶり出されたさまざまな課題を踏まえて、『現政権の政策を続けてよいのか』と訴えることもできる。参院議員の任期は6年ある。候補者たちは、こうした課題の解決に向け、中長期的な政策も含めてしっかり論戦を深めてほしい」

 -有権者はどのような心構えで投票すべきか。

 「国の代表を選ぶ国政選挙であることを自覚し、熊本だけの利害にとらわれすぎないことだ。国政では地震の教訓を生かして国全体を高めていくような政策が求められる。日本の安全保障の問題に関しても、他国の攻撃から自国を守るというだけでなく、『自然災害から国民の生命、財産を守る』という観点からも議論していく必要がある」

=2016/06/21付 西日本新聞朝刊=

関連記事

PR

PR