国際会議「活躍する女性と高齢化する社会」 高齢者活躍へ変革を 「福岡宣言」

西日本新聞

 福岡女子大、九州大や退職後のキャリアの在り方などを研究している非営利団体SALT(英国)などが主催する第1回WWAS国際会議「活躍する女性と高齢化する社会」が今月4、5日、福岡市の福岡国際会議場で開かれた。

 「女性、高齢化、有償・無償で働くことという三つのテーマを掲げた、ユニークでチャレンジング(挑戦的)な世界初の大会」(大会委員長の梶山千里福岡女子大学長)で、国内外の研究者ら約350人が参加。年を重ねた女性が働くことを通じて社会参加することの意義などについて議論が繰り広げられた。

 福岡県の「70歳現役応援センター」が取り組んでいる就労支援事業を巡っては、「女性も高齢者も、安価な労働力として利用されるだけではないか」といった問題提起もあった。センター側は、80代の女性が趣味のカラオケを楽しむために収入を得たいと、1日2時間ずつ週5日、清掃の仕事に就いた事例などを紹介。参加者からは「仕事を必要とする人に活躍の場を与える機会」をつくり出すことの意義を評価する声も出て、主催者の一つ、SALTのイザベル・ジョーンズ代表は「重要なのは、『自分はこれから何をしたいのか』と自問してチャレンジの気持ちを持つこと、社会にそのための選択肢が用意されていること」と議論を引き取った。

 こうした2日間の議論を踏まえ「誰もが活躍できる高齢化社会に向けた前向きな変革の推進を」とうたった福岡宣言=図=を採択した。

 会議の成果を再確認するため、7月8日午後1時半から北九州市小倉北区の市立男女共同参画センター「ムーブ」で、北九州タウンミーティング「高齢化する社会と地域における女性の活躍」が開かれる。参加無料。

 ●主催団体代表らに聞く

 第1回WWAS国際会議の主催団体の一つ、SALT(英国)のイザベル・ジョーンズ代表と、第2回会議の開催場所となるダービー大(同)のアンマリー・ラストン教授に、今回の会議の成果と次回会議に期待することを聞いた。

 -第1回会議の成果は。

 ジョーンズ代表 全ての人にとってよりよい高齢化社会にするための変革を提唱する「福岡宣言」を採択したことが、大きな成果だ。この宣言は、私たちが仕事と年齢、性別についての問題を議論することがいかに重要だと思っているか、これからどのように取り組んでいくかについて書いている。

 会議のメッセージが意思決定機関に確実に伝わり、高齢者と女性の生活の改善につながるよう、この宣言を自治体や政府、国際機関などに届けていきたい。

 -日本の高齢化社会の状況は次回会議にどのように関係するか。

 ジョーンズ代表 日本は既に超高齢社会を経験している。「福岡県70歳現役応援センター」のような超高齢社会の中で発展してきた施策は他国の参考になる。

 ラストン教授 日英の大学での共同研究もできるかもしれない。例えば両国の企業で、高齢者に優しい方策を採用しているところを比較し、参考にし合える。

 ジョーンズ代表 もう一つ重要な問題は、女性の介護者としての役割だ。日本だけでなく、米国、英国など多くの国において、介護は女性が担っている場合が多い。私たちは国に関係なく皆同じ問題にぶつかっている。経験を比較することで得ることがある。

 -次回はどんな会議になるよう期待するか。

 ラストン教授 学術的な話と実践的な話の組み合わせになる。今回、韓国やコロンビアからの参加者が次回も参加したいと言ってくれた。さまざまな国の視点が集まることで、良い会議になるだろう。


=2016/06/22付 西日本新聞朝刊=

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