与党、経済政策を軌道修正 野党と類似「家計重視」に

西日本新聞

 アベノミクスを巡っては「全否定するものではない」(民進党)「当初成功を収めた」(国際通貨基金=IMF)など、経済成長に一定程度、寄与したとの意見が国内外から上がる。しかし、与党が「着実な成果が出た」と誇示するのに対し、野党は、国内総生産(GDP)成長率がプラスとマイナスを繰り返す不安定な景気の現状を受け「限界」「失政」と真っ向から反論し、政策転換を訴える。

 自民、公明両党は、有効求人倍率が史上初めて全都道府県で1倍を超えたり、企業収益が過去最高に達したりといった経済指標を、アベノミクス3年半の成果として提示。雇用や所得環境が改善したと主張する。

 ただ企業の内部留保が増える半面、収益は賃金や設備などの投資に十分に回っていない。中でも個人消費はGDPで2014、15年度とも前年度より減少するなど低迷。地方への効果波及も、評価が分かれる。

 こうした状況に野党側は、非正規雇用の増加や実質賃金の減少など、与党が積極的に示さないデータを使い「アベノミクスは大企業優遇」「格差と貧困が拡大した」などと批判する。

 アベノミクスの実績に対する賛否は割れるが、今後の経済政策の方向性は与野党で似通っている。

 安倍晋三首相は政策が十分でないと認め「成長と分配の好循環を構築する」とアピール。金融緩和に伴う低金利を活用した積極的なインフラ投資など従来型施策に加え、子育て世代を意識した社会保障政策の充実や最低賃金の引き上げなど、企業だけでなく家計を重視する姿勢を鮮明にした。

 この軌道修正は「分配と成長の両立」(民進)など、かねて中間層の所得引き上げといった「分配」の強化を訴えてきた野党側の主張に重なる部分が多く、違いを分かりにくくしている。

 社会保障に充てる財源や財政再建への道筋など、具体性や実効性が不透明な公約も少なくない。

=2016/06/23付 西日本新聞朝刊=

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