18歳、私も考え選ぶ 初投票先「納得するまで」

西日本新聞

  「納得できるまで考えたい」「将来世代を見据えた論戦を」-。22日公示された参院選は選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、18、19歳が初めて投票に臨む。学校で「本番前」の注意書きを手渡された高校生。候補者の街頭演説にじっと耳を澄ませた学生たち…。“大人未満”の若き有権者も「初の1票」と向き合う18日間が始まった。

 〈18歳未満は一切の選挙運動ができません!!〉。同日朝、福岡市の博多高。授業の前に配られた紙をしげしげと見つめ、3年の近見陽(ひなた)さん(18)は「いよいよだ」と実感した。公選法違反に注意を促す文章が箇条書きで並ぶ。公示日に合わせ、教員たちが作った。

 政治への興味は「一切なかった」近見さん。模擬投票などに取り組む生徒会の友人と話すうち、考えがガラッと変わった。その友人はまだ17歳。「若者は人口が少ない上に、投票にも行かなかったら話にならない。友達の分までしっかり投票します」。生徒会顧問の山城賢太教諭(30)は「期間中は新聞などの資料を使い、生徒が自分で判断できるよう後押ししたい」と口元を引き締めた。

 佐賀大農学部1年の田代裕誠さん(18)=佐賀市=は、キャンパス近くで候補者の演説を聞いた。関心はTPP(環太平洋連携協定)と農業振興。すべての候補の主張を吟味し、学内に7月5、6日に開設予定の期日前投票所で1票を投じるつもりだ。「強い意志で政策を実現してくれる、若者目線の人に投票する」

 専門学校生の広瀬千彩希(ちあき)さん(19)=大分県別府市=は大分市である陣営の出陣式に初参加。候補者を生で見て「人柄も伝わった」と興奮気味。美容師を目指し、昼はアシスタントとして働く。1票を「政治を考えるきっかけにしたい」。

 一方、大学2年の麻生知里さん(19)=大分市=は公示日を知らなかった。「親に迷惑をかけないよう」奨学金を受けながらアルバイトの毎日。ニュースを見る余裕はない。「突然選挙権を与えられて行きましょう、と言われても…」。戸惑い気味に語った。

 この日は候補者側も「18歳」を意識。似顔絵を使ったカラフルな選挙カーを走らせたり、若者向けの集会を開いたり。九州大キャンパス(福岡市)の前で第一声を上げた候補者が授業中の大学教員に指摘され、慌てて音量を落とす場面もあった。「10代の動向は見通せない」と長崎のある陣営スタッフ。「まずは支持者が、家族や知人の10代を取り込むところから」と“現実路線”を強調した。

=2016/06/23付 西日本新聞朝刊=

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